出会い【Meet with you…ARS】 (ページ17)

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雅紀sied

大学の講義が終わった。

今日は、一日じゃないから早く帰れるんだよね。

でも、ちょっと友達と約束をしていて。

今は、約束したファミレスに向かっている。

「おー、潤！お待たせ！」

「いやいやー、久しぶり～。雅紀！」

俺が後のようで、先に来た潤はかっこよくコーヒーを飲んでいた。

潤とは昔からの友達。

高校で知り合って、そのままよくつるんでいる。

なんだかかんだ、いろんなことをとりとめなく喋る。

「そういえばさ、かわいい友達ができたんだ！」

俺はふと思いついたことを言った。

「え、なに女？」

「違うー、男。しかも、同学年。」

「なんだそれー、お前、そんな趣味あったの？」とか言ってくるけど、そうじゃなくて。

ん？そういえば、潤は俺の大学の隣の大学だな。

じゃ、和と同じ大学だ。

それを潤に伝えたら、潤は「会ってみたい。」と言った。

もしかしたら、俺と比較すれば潤の方が前々から近い存在だったのかもしれない。

納得いくような行かないような。

ちょっと、複雑な気分で了承して、今度会ってもいいか、和くんに聞く約束をした。

さっそく和くんにメールしとこう。

俺の友達、潤の説明も入れつつ送信した。

和sied

レントゲン撮影が終わって連れてこられたリハビリ室にて。

「大野さん、やだぁ。えー、したくなーい。いたーい。」

「痛いなら余計しないとダメだよ。やだって言うなや。」

俺は無駄だとわかっているのに抵抗をしている。

なぜかって？

そんなの、痛くてたまらないからに決まっているじゃない！

毎回、毎回、病院に来ると待っているのはマッサージという名のリハビリ。

いや、痛み地獄。

こんなこと、先生に言ったら怒られるけど。

小さい頃は本当に嫌で、院内に逃げ出したりしたっけなぁ…

「さっ、グズグズ言ってないでやるよ！」

大野さんが手を叩いて促した。

大野さんはリハビリ師。

俺の担当。

櫻井先生同様、俺は大野さんにもちょっと甘ったれてる。

だって、結構気に入ってるし。

いいやつだし。

「おいしょ。」細いけど、人を助けている強い腕に持ち上げられて台の上に上がった。

「よし、足出して。」

真剣な顔つきになって、俺もちゃんと患者として従う。

こんな時の大野さんはちょっとかっこいい。