出会い【Meet with you…ARS】 (ページ12)

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雅紀sied

すんごく、軽い和くんを背負って取り敢えず和くんの家までやってきた。

変に連れ出せないし、俺の家より和くんの家の方が近かったしね。

「そ、そこ曲がって、あっ、その茶色の屋根のところ。」

和くんも一人暮らしをしていて、足が悪いから小さなアパートの一階に住んでいるらしい。

そっと下ろしてあげて鍵を貰って開けさせてもらうと、整頓されている部屋が覗けた。

「お部屋、綺麗だね。」

「うん、物に引っかかって転んだなんてシャレにならないからね。」

「そっか…」

いろいろ大変なんだよな…

降ろされた場所から、玄関まで来て、靴脱いで…

リビングまで進もうと頑張っている和くん。

「んしょ…よいしょっ」

階段から落ちたことで痛い足を引きずりほぼ手の力で進んでいる。

_____気がするけど…

あんまり、進んでいない…笑

同じところで、うんしょうんしょと体を捩っている。

「和くん、手伝おうか？」

「いいもん、大丈夫だもん！」

「もう、意地はらないで。」

結局、抱き上げて家のソファのところまで連れて行ってあげるとそっと下ろした。

「手伝ってもらわなくても自分でこれたもんね！」

「はいはい。」

負けず嫌いみたいで、可愛い反抗。

笑いながら、返事をしたらおざなりに扱われたのが悔しかったのか、プンスカ怒り出した。

なんだか、その様子もただただかわいいだけ。

それ、大いに逆効果だよ。