5で闘い ページ6
ふぅ、と息をついて積み上げた死体の山を見てぱっぱっと埃を払った。いつの間にかこちらの隊に合流していたらしいリアが近付いてきて可笑しくナイカ、と言って山を見上げた。
『?何が?』
ri「弱過ぎないカ?最近力をつけてきたって言われているクセには弱過ぎる。この国が戦争をしていない訳じゃああるまいシ。」
『…確かに。そうだね』
ri「…真逆だけどサ」
『誘導されてる?』
私達は顔を見合わせると城の方にダッ、と走り出した。デェアの城には今トントンとグルッペンさんが話をしに行っている筈。それに護衛としてシッマとショッピがいる。
『…(もし、もしだ。彼奴が…)』
裏切ると、したら?無意識の内に速度を速めて城の中に入り王の間へと走った。バン!と大きな音を立てながら開けたその先には。
『っ、あ、あぁ』
ri「…!!ショッピ、お前…!!」
syp「あ、Aさん。来たんですね」
ニッコリと笑顔を浮かべて銃を構えているショッピと唸りながら赤い血の流れる右腕を押さえるシッマがいた。トントンとグルッペンさんはシッマを守るように立っているが目には混乱の色が見て取れた。
『ねぇ、何したの?ねぇ。シッマに何したの?!ねぇ!』
syp「え?…打っただけですが?腕を。」
その瞬間、プツン、と何かが切れた音がした。
ri「!Aっ、!」
gr「!!やめろ、A!!」
リアの声も、グルッペンさんの声も
tn「A!やめ─────」
愛おしいあの声も、今は何も聞こえなかった。
__「あぁ…!その顔が見たかった…!」__
誰かの、その声さえも。
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作者名:ノエル・ウィール | 作成日時:2020年2月26日 19時