19 これは真逆、ドラマとかで良くある ページ20
トントンと話しているとバタバタと走る音がしたと共に勢い良く扉が開かれた。トントンが扉壊れたんとちゃうか、と言っているが私もそう思う。そして扉を開けた本人はゼェゼェと荒い息を整えている。
『…どうしたの？』
tn｢何してんや、ショッピ君｣
syp｢ぜぇ、ぜぇ、…いや、Aさん、が、誰かに取られてる、気が、して…｣
tn｢いやなんのセンサーやねん｣
syp｢Aさんを守るセンサーです｣
『いや怖ぇよ』
ショッピが近づいて来たと思えば後ろからのしかかった。え、え？と上を向こうとしたがグッ、と頭を押さえられてしまった。トントンが少し睨んでいるから多分煽る感じの顔してる。
syp｢Aさんは渡さないんで。｣
tn｢…上等や。俺かて簡単に渡さんからな。｣
『…(あれ？これはドラマとかで見るやつ…)』
バチバチと私の頭上で火花が散っている。私はやべぇと遠い目をして外を見ていた。これあれでしょ。ドラマである"私の為に喧嘩しないで！"っていうやつでしょう？私言えないよこの2人凄い怖いもん。
syp｢俺は小さい頃から___｣
tn｢あ？俺はなぁ、森にいた____｣
『…何がしたいんだろうか。』
諦めてそーっとショッピから抜けると部屋の中の椅子に座り編み物をする。ふわ、と少し冷たい風が吹き抜けて部屋の中を回る。それと一緒に2人がぎゃあぎゃあと言い合っている声が聞こえてクス、と笑ってしまった。
tn｢____ってA！いつの間に消えてたん？！｣
syp｢あ、ほんまや！なんでですか？！｣
『いや…2人共楽しそうだなぁって』
｢｢どこがやねん！！｣｣
『息ぴったりだねえ。』
ケラケラと笑ってまた手元の編み物を始める。2人はいつの間にかまた言い争いをしている。こういう平和な日は良いなぁ、と思いながら編み物を続けた。
｢…やから！Aさんはセクシーな方でしょう！｣
｢はぁ？！可愛い1本やろ？！｣
『…何やってるんだか…』
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作者名：ノエル・ウィール | 作成日時：2020年2月26日 19時
