All for your sake【朱桜司】 (ページ7)

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Sieben ページ7

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唖然としてその場に立ち尽くしていると、何も言わない私にしびれを切らしたのか足をトントン、とリズム良く何回も音を立てる。

「ちょっとぉ、図星なのはわかるけど流石に何か反応してくれない？チョ〜うざい」
「す、すみません… 」

急いで謝ると気が逸れたのか、然程興味を示さなくなった。
それもそれで怖いのに変わりはないけれど。

「あんた、かさくんに気持ち伝えるの？」

無言で首を振ると何で？という視線が私に突き刺さってくるけれど、言えない。
立場を気にしているわけではないのだけれど、そんなことしたら迷惑になるし解雇されるでしょう、司様がそんなことしなくともきっと旦那様がします。
いくらメイドとはいえ、替えは沢山いるわけですし特別可愛がってもらっているということでもないですから。

「ふーん、そっちがその気ならこっちは考えはあるんだからねぇ？」

瀬名様は少し怖い笑顔をこちらに向けてきたけれど無視していると、携帯を取り出して誰かに電話をかけ始めた。

「なるくん？そっちはどんな感じ？………あーわかった、俺も報告しに行くねぇ」

十数秒で電話が終わってしまった、なるくんと言うことは鳴上様の事だろう。
報告とはいったい何を…？

「じゃあ俺はなるくんのとこ行くから、代わりにかさくんをここに呼んどいたから感謝してよね」

と爆弾発言をして瀬名様は司様がいらっしゃるであろうお部屋に行ってしまった。
生憎ですが瀬名様、全然感謝したくありません。