Zwolf ページ12
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「 も〜遅いぞ!お前の為にこのボクがお茶を出して待ってたのにぬるくなったじゃん! 」
私が訪ねたのは姫宮家、同じような知り合いで執事と主人と仲が良いのはこの人達以外いない気がする。いや、一人いるのだけれどきっとあの人は来ないだろう、こういう話は好きだとは言っていたけれど。
それよりも、突然押しかけたにもかかわらず私を歓迎してくれるその心の広さはとても助かった。
いつの間にか弓弦さんがカップを改めて持って来てくれた、湯気が立っていることから今入れ直してくれたことがわかった。
「 気が利くな弓弦、褒めてつかわすぞ! 」
「 姫宮様も弓弦さんもありがとうございます 」
「 Aは少し謙遜しすぎ、弓弦を見習ってもいいんだぞ〜? 」
謙遜もしていないのにそんな事を言うなんて、姫宮様はお優しい。
気を遣えるのは素晴らしく、尊敬したい面です、が、生意気な所はあまり好んでいません。
「 坊ちゃま、Aさんも暇ではないのです、そのような事を仰って時間を引き延ばす事をしないで下さい。それで如何なさいましたか、あなたがここに来るなんてほぼないに等しいのに…何か重要なことでも? 」
二人の視線が私に突き刺さる為、言わざるを得ない。
私は控えめな声で
「 …これからいう事は他言無用でお願いします 」
と告げて今までの経緯を二人に話した。
弓弦さん達は驚きつつもきちんと話を聞いてくれた。
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作者名:のあ | 作成日時:2017年8月4日 7時