Notes【短編集】

２つ違い：うらたぬき ページ12

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　これ、返却お願いします。カバンから本を出して机の上に本を３冊載せる。

　「本読むの好きだな相変わらず。」

　「まあ、」

　制服のタイの色が違う図書委員は２つ年上の幼馴染。

　「はい、返却終わり。あと、２０分だから一緒に帰ろーぜ。」

　いいけど、なんて可愛くない返事をして本棚から適当な本を物色する。課題あるから借りるのはまた今度にしとこ。

　パラパラと本を捲ってたらチャイムが鳴って下校時間。図書室にいるのは気付けば２人だけで、うらたが図書館の鍵を職員室に返すのを下駄箱で待つ。


　「お待たせ。」

　「うん。」

　付き合ってるとか、恋愛感情があるとかそういうのじゃない。ただ、なんていうか隣にいるのが心地がいいだけ。

　「うらた進学？」

　「ん−、その予定。こうやって帰れねぇの寂しい？」

　「寝言は寝てから言って。」

　「おいこら。」

　可愛くねぇな、と頭を撫でられる。寂しいわけじゃない。毎日一緒に帰ってるわけじゃないし、友達だっている。中学のときだって２年間は１人だったわけだし。

　「まあでも、２人で制服着て歩くのがあと少しなのはちょっと寂しいかも。」

　中学の時、ほんとにたまに高校の制服と並んで歩いたこともあったけど。大学生になっちゃったら私服だからそんなこともなくなるもんね。

　「何珍しいこと言って。可愛いとこあるじゃん。」

　「いつでも可愛いですけど。」

　「はあ？」

　「その反応は失礼。」



　幼馴染の距離感。

わがまま：センラ→←メルティーキッス：nqrse

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