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明るい日差しがまたあたしを焦がそうとしていた。こんなに可愛いあたしなのに、なぜかこの日光というものが似合うとは全く思えないのだ。太陽、といえば可愛らしい、純粋そうな青春のイメージ。あたしにぴったりではないか。それなのに、なぜかあたしは似合わない。こんなに可愛いのに。
 くりっとした大きい目。ふわふわとウェーブをかけた茶色がちの黒髪。瑞々しい唇。どれをとったって、あたしは可愛らしい人間なのだ。それなのに、あたしには青春ってものが似合わない。
 あのあたし達を照らしてきやがる太陽だって、雲一つない青空だって、日光を受けて輝かんばかりの桜だって。
 あたしみたいな可憐な女子にあるはずのそれは、全くもって不似合いだった。
 青春ってなんだろう。人生ってなんだろう。そんな中学生みたいなことも考える。最終的に、あたしが行き着いた答えは、恋だった。
 少女漫画の主人公は、恋をして青春していくし、というか大体の漫画やドラマでは、青春=恋という式ができるくらいに、恋をしているじゃあないか。
 恋心なんて欠片もなかったけど、付き合ってしまえばこちらのものだ、なんて思って、もう何人と付き合ってきたのだろうか。
 数え切れない。今だって、同時に3人くらいと恋人同士なのだ。男なんて単純なもので、自分にだけ特別に、と適当なプレゼントとか送っていたら好きになられる。ああ、楽。整った容姿も、きっと難易度が下がる要因の一つだろう。
 恋ってこんなに簡単なんだなあ、とか思いながら男といちゃいちゃとしている。嫉妬した女から、尻軽だとか、クソビッチ、だとかつまらない言葉を投げつけられたことだってある。しかし、そんなことを言うやつは、大体が不細工だ。あたしに適わないから、暴言を吐いて強者になったつもりになっているだけ。弱い女。
 そんか女の羨望の瞳を浴びて生きるのは、ありえないほどに楽しい。きっと彼女らは人と付き合えないんだろうなあ、なんて考えると最高だ。恋ってこんなに楽勝なのに、なんであいつらはできないんだろう。
 ま、弱いからか。ははは、あたしは勝ち組なんだ。そうやってまた、今日も高校の通学路を歩いていく。
 一緒に登校する友達、なんてものはいなかった。作る気すらなかった。嫉妬女と仲良くしたって、何も手に入るものは無い。
 春の陽気が差してくる道路に、なぜかあたしだけ土砂降りみたいな陰気に包み込まれている気がした。それはきっと、気のせいだ。たぶん。

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作者名:河原辺のの | 作成日時:2017年5月27日 11時

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