薄曇りと薄明かり ページ13
「うーん…鵺の憑依は完全体だし相変わらず術式は使えないみたいだね?となると何者かが干渉したのかなぁ」
「他人の呪力の残穢は無かったんですか」
「うん。念入りに確認したけどやっぱり翼の呪力だったよ」
『私にも呪力が?』
「術式を使えるほどではないけど極僅かな量ならあるよ。だから考えられるのは2つ。
何かがきっかけになって呪力が増大した。この何かは鵺の出現とか怒りとか…まぁそんなとこ。
もう一つは何者かが翼に干渉して一時的に呪力を与えたか。
原因が分からないことには何が起こるか分かったもんじゃないからね。本当は僕が着いときたいけどそういう訳にも行かないから…絶対に恵から離れないこと。今回1人で入ってっちゃったんでしょ?」
『…すみません』
「俺が止められなかったからです。すみません」
「任務に連れて行かないって手はないのか」
「原因確認したいからね。上に勘づかれると厄介だしその前に何とかしておきたい」
“厄介”。特に深い意味も意図も無いことは分かっているがやはり心に刺さるものがある。
自分はどこに行っても忌み嫌われるのか。
今まで悲しいと感じたことは無かったので少し驚く。
あぁ、私も変わったのかな。
自分は忌み子だから一生隠れて生きるのだと言い聞かせて生きてきたのに、いきなり外の世界に飛び出して。
他人と接することにまだ不安もあるけれど、仲間の温かさに触れて。
ここでなら、きっと私も______。
少女はかすかに微笑んだ。
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ノンノン(プロフ) - 紅葉さん» 返信遅くなって申し訳ありません。面白いと言って頂けて嬉しいです!更新頑張ります!! (2020年1月26日 14時) (レス) id: 4f5d0a225d (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - とっても面白いです!!これからも頑張ってください (2020年1月8日 13時) (レス) id: a96e485a5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノンノン | 作成日時:2019年12月16日 17時