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「A…！」
本番終了後30分、シャワー室から出てきたAを呼び止めたのは。
広臣「ちょっと話、あんだけど。」
息を切らした広臣。
「………え？」
広臣「…お前に、話、あるんですけど。」
ポカンとするAを指差しながら ゆっくりと言直す広臣。
二人の間には三歩以上の距離があって、広臣は無意識に 今はそれが限界だと思っていた。
「あ…、じゃあ……はい。」
広臣「ついて来て？」
広臣の後ろをゆっくりと付いて行ったA。
直己「A、大丈夫かなぁ…？」
隆二「俺が心配なのは臣の方ですよ…」
剛典「てか臣さんシャワー入ってました？匂いって印象的にまじ大事ですよ？」
直人「うん、岩ちゃんは今日も俺より先にシャワー入ってたもんね」
ELLY「岩ちゃん…」
剛典「…えへ？」
健二郎「勢い余ってキスする展開になっちゃったらどうしよう…泣」
ELLY「なんつー妄想してんすか！笑」
直人「どう想像したらそうなんの！？」
直己「大丈夫だって笑」
柱の陰に重なり合って二人の後ろ姿を見送ったメンバー。
皆やんややんや言いつつ、2人の成功を祈っている。
.
ガチャ
Aを連れてきたのは、スタッフルームすぐ近くの小部屋。
本当は人通りの少ないところで話したかったんだけど、もしAが俺と二人きりになるの怖がってたらと思うと、やっぱり外に多少人の気配があったほうが良いのかなって。
広臣「疲れてんのに、悪かったな」
「いえ…」
広臣「とりあえず座って」
Aを椅子に座らせて、俺も２つ挟んだ隣の椅子へと腰掛けた。
「……」
「……」
「「……」」
・・・。
どう、切り出せばいいのか わからない。
Aはただただ無表情に目の前のテーブルのある一点を見つめている。
こいつ今多分めちゃくちゃ頭ん中ぐるぐるしてんだろうな…いきなり俺に連れてこられて、訳わかんなくなっちゃってるよな。
広臣「…あ、のさ。」
「…？」
広臣「週刊誌の事、悪かった。…百合根記者を刺激したのは俺だ。謝ってどうこうなる話じゃねえんだけど、言わなきゃ気が済まない。
本当にすまなかった。」
横に座るAにちゃんと体を向けて頭を下げた。
.
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年11月22日 22時
