君をさがしてた。episode1 (ページ36)

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(凄い熱だ…)

Aの身体を抱えてみて初めて気付いたが、どうやら熱があるみたいだ。
服の上からでも伝わる熱気、苦しそうな顔、辛いのを相当我慢していたのだろう。

ELLY「大木さん！」

マネ「ELLY？…ってA！大丈夫か？！」

ELLY「色々あって会議室で倒れて…タクシーってもう来ますか？」

マネ「色々…？ああ、それよりタクシーな。もう来てると思う。」

ELLY「じゃあ俺、このままAの事家まで送ります」

マネ「そうしてくれると助かる。これ住所な、家つく頃一回連絡くれ。…AKIRAくんに連絡して鍵開けてもらうわ」

ELLY「AKIRAさん鍵持ってるんですか？」

マネ「ああ…とりあえず頼むわ。」

ELLY「はい。」

関係者出口に着くと一台のタクシーが止まっていて、運転手に住所のメモを渡すと間もなく発車する。
ELLYは自身の膝の上にゆっくりとAの頭を乗せ、膝枕の状態にしてあげた。

ELLY(こんなに辛そうなのに…なんで気付かなかったんだ…)

アキラ「Aは？」

ELLY「…まだ起きてません。」

アキラ「そっか、じゃあ反対側から出すわ、すいません反対側のロック開けてもらえますか？」

「はい」

30分ほど走った頃、タクシーはあるマンションの前で停まった。
そして窓の外から顔を覗かせたのは部屋着姿のAKIRA。

運転手に頼んで後部座席のA側のドアを開けてもらうと、眠っているAを軽々と抱き上げた。

アキラ「…ELLYもあがってきな。」

運転手にお金を渡しELLYにそういうと、周りの目を気にするように足早にマンションに入っていく。ELLYもその後を慌てて追いかけた。

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