67 / 楽屋 ページ17
結局飲み物も買わず楽屋へと戻る私達。
楽屋への扉の前に立つと、
やはり何処か異様な雰囲気を醸し出していて
ただ部屋に入るだけなのに足が竦んだ。
＿＿＿＿＿ "私が居なければ"。
そんなこと、思ってはいけないと分かっているのに
思いとは裏腹に、頭はすぐに考えてしまう。
それを察してかそうではなくか分からないが、
のんちゃんは心配そうに私の顔を覗き込み、
優しく手を握って来た。
まるで「大丈夫やで」って言っているみたいに。
桃「 開けるで？」
のんちゃんの問いかけに頷く。
扉を開けると、冷たい目線が突き刺さった。
…きっと、のんちゃんと手を繋いだままだったからだ。
ただ私の手の震えを抑える為に握っていてくれただけなのに。
"のんちゃんが悪く言われるのは嫌だ" と思って俯いていると
耳を塞ぎたくなる様な言葉が聞こえた。
「 ほら、言うたやろ。
結局はチヤホヤされたい、そんで男を捕まえたい、
ってオーディション受けたんや。
四人が認めたとしても、俺は絶対認めへんからな。
…しかもよりによって望とか、
結局顔やん、こんな奴に騙されるとか
望もどうかしてるやろ 」
…言われて、しまった。
絶対にのんちゃんのことは悪く言われたく無かったのに。
ましてやメンバーさんに言われたなんて、
のんちゃんも凄く傷付いたに違いないのに。
何で私の方を見て
そんなに心配そうな顔をしているの…？
緑「 おいシゲ！！
ホンマお前さっきから…！ええ加減にせえよ！！！」
黄「 神ちゃん、落ち着けって 」
紫「 シゲも、ちょっと言い過ぎたんちゃうか、」
赤「 は、だる 」
「こんなトコ居られんわ、頭冷やせって」と言って
重岡さんは楽屋から出てしまった。
橙「 あーあ、怒らせてもうたなあ、
でも…メンバーに手ぇ出すんは許せんなあ 」
そう言って桐山さんも重岡さんに続き
ギロリと鋭い目線を向けて出て行ってしまう。
そこで、前みたいに皆居なくなるんじゃないか、と
どうしようもない不安に襲われる。
…まだ、認めて貰った訳でも無いのに。
私はまた、贅沢な不安に襲われているのだ。
周りから見たら、批判しか浴びないくらいの贅沢に。
そんな事を考えていたら、
何だか息が上手く吸えなくなっている様な気がした。
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ｲﾛﾊ(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます …！そう言って頂けて嬉しいです ◎ ゆっくりですが加筆して参りますので、お読み頂けたら幸いです。これからもよろしくお願い致します ◎ (2021年3月25日 0時) (
レス) id: c6ea372a6e (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています！更新楽しみにしていますので、無理をしない程度に頑張ってください！ (2021年3月24日 23時) (レス) id: d72ab54115 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｲﾛﾊ | 作成日時：2021年2月20日 18時
