俺の手が届く範囲にいろ。

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太「でもさ」



宏「ん？」



太「でも、その好きは幼馴染みとしてだろ？」


切ない声でそんなことを言う太輔の瞳は少しだけ揺れた気がした。


宏「え？」



それってどういう意味？


太輔は違うのか？




太「一つだけ聞いていい？」



宏「うん」



太「なんで玉森のこと好きなの？」



宏「え!?」



まさかの質問で驚いてしまった。





太「俺の方が宏光のこと知ってるよ。好きな物も嫌いな物も性格も癖も。それでもやっぱりあいつが好き？」




そう言った太輔は今まで見たことないくらい悲しそうな顔をしていて胸がきゅうっと締め付けられた。



今日の太輔はやっぱり変で、そんな言い方されたら俺のこと…
って思ってしまう。







太「俺なに言ってんだろ笑」



宏「たいすけ？」



太「気にしなくていいから」



太「最近の俺余裕無さすぎ。歳のせいかな？笑」



宏「いや、まだ早いだろ。俺らまだ16だから笑」

そう言って２人で笑った。



太「じゃ俺帰るわ。また明日な」





そういって家に向かって歩いた太輔。





するといきなり振り返って



太「お前なら大丈夫と思うよ」



宏「え？」



宏「あっ！もしかして、俺と玉のこと応援してくれんの？」



なんて言ったけど太輔は黙ったまま何も言わなかった。




太「じゃあな」



そう言って家に入る後ろ姿を見ながら


宏「嘘つき」



と呟いた。

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