中也、犬を飼う

子犬が七匹 ページ8

「じゃあ本題に入ろうか」


どうやら今までのは本題ではなかったらしい
本題はそう、これだ
“中原中也ノ犬ノ名前”


「よし、立原くんから時計回りで案を出していこう
決定権は中也くんにあるから安心してね」


出来ねぇよ
だがしかし俺には名付けのセンスがねぇ
こいつらにつけさせた方があいつも幸せなのかもな
様子見で任せてみるか


「俺からっすか…え〜犬子ちゃんとかどうっすか？」


「却下」


前言撤回
おい立原やってくれたな
まんまじゃねぇかよ
中原犬子は俺が嫌だ
誰か他にいい案を出してくれ
出来ればこいつみたいに可愛くて
柔らかい感じで中原姓に合いそうなやつ…


次々に案がでてくる
しかし中也の口からは却下しか出なかった
それもそのはず
なかなか中也の条件に合う名前が出なかったからだ
白丸、花麻呂、胡麻団子左衛門、無花果花子……
集中力が切れてきたのかおかしな名前が増えてくる
ついに最後、樋口一葉の番だ


「え〜……みやびちゃんとかどうでしょう」


「おー、いいじゃねぇか！」


「わん！！」


よし、こいつも喜んでるし
今日からこいつは中原みやびだな


「うんうん、凄くいいと思うよ
今後ともエリスちゃんとよろしくね」


「貴重なお時間ありがとうございます」


「いい息抜きだったよ。みやびちゃんに何かあったらすぐに来るように。
この子もマフィアの一員だからね。」


森の言葉に感動しながら中原中也は深く一礼する
会議は終わったが資料はまとめ終わってない


早く帰るために三分で片付けてやる

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