たぶん、夢。 (ページ37)

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運ばれてきたケーキは
天使のミルフィーユというらしい。
クリームたっぷりで、とても美味しそうだった。

「「いただきます。」」

「…、ふふっ、被った。」

「小学校の給食の時みたいだったね。」

2人で笑いながら、
口に入れたミルフィーユはサクサクで美味しい。

「…大谷くんも、
私と同じレベルくらいの食べ方じゃん、それ」

「ミルフィーユは流石に綺麗に食べれないですね。」

「なんでもそつなくこなしそうなイメージだったから、
なんか可愛い、これがギャップってやつか。」

「…まぁ、
パイ生地を口につけたままのAさんに
可愛さは負けると思います。」

「うそ！？」

「はい、コレ」

「…ありがとう。」

そうやって、口元を拭くAさん。

どちらかというと綺麗系な見た目の彼女は、
まわりの人から
「喋るとアホがバレるから、大人しくしておけ」と
よく言われてるらしい。

アホ……とは思わないけれど
あぁ、たぶん趣味のことを話してる時のことなんだろう

その話になると目がキラキラしてて、
喋りだすと止まらなくなる。

楽しそうだなぁ、と思って眺めてるから
別にマイナスだとは思わないけどな…

話すと面白いし、ケラケラ笑うAさん。
さりげなくリードしてくれてたりもするから、
やっぱり年上だ、と感じる部分はたくさんあった。

着飾らない彼女は、魅力的だった。

そんなAさんとのやりとりが、続かないなんて思わなかった。