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▽
少し悲しそうな笑顔だった。
別に隠してたわけじゃない、
もしかしたらバレてしまうとか、そんなことじゃない。
「Aさん、「翔平」って下の名前で呼んでくれます？」
考える前に、勝手に口から出た。
(ちょ、ちょっと待って。何キザなこと言ってんの
もうほんとAさんの前だと
なんか恥ずかしいこと口走ってしまう、冷静になれ、自分…！)
「えっ…！？え？いや、呼ばない！大谷くんでいい！」
Aさんの顔がだんだん赤くなっている。
即答されたことに少し傷ついたが、
下の名前で呼ばれたら、たぶん心臓が爆発しちゃうから断られてよかった
と思った。
その後会話が続くことはなく、
Aさんの家まで送っていった。
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年8月23日 19時
