独立。 ページ13
フィールドを走るショッピくんの姿はいつも猫背気味に私にサッカーのルールを説明していた彼とは随分違う印象だった。
そうなのだ。
ついに今日からショッピくんは選手に復帰し、私はマネージャーとして独立しなければならない。
いつも二人でやっていた作業を一人でやるのは思っていた以上に大変だった。
よいしょ、と腰を曲げてスポーツドリンクの籠を持つ。
これを2往復。
案外腰にくるが、部員のみんなは私なんか到底及ばないぐらい動いてるので文句は言わない。
洗濯しておいたタオルの籠を持ってきて、スポーツドリンクの方と名前を確認してから一人一人の場所に置いていく。
最後に今までなかったショッピくんの場所に置き終わると、首から下げたタイマーがピピピと鳴った。
慌てて手を挙げると、キャプテンがそれを横目で見た。
「よっし、休憩や！」
そう、キャプテンはコネシマくんなのだ。
2年、3年の先輩を差し置いてと思ったのだが、そもそも先輩がこの部活にはいなかった。
それについてはショッピくんもコネシマくんもまだ詳しく話してくれないので、私は言及しないようにしている。
あまり公に言える事情ではないのだろう。
部員がワラワラと集まってくる。
各々決まったところからスポーツドリンク、タオルを取る。
どうやら場所のミスはないらしく、ホッとしていると後ろから声をかけられた。
「桐ヶ谷。ショッピくんがおらんくてもいけそうやな」
振り返ると汗だくのコネシマくんがいた。
「まーなんとかね。それより汗拭いたら？」
「あ？あーまあ後でな。喉乾いてしゃーない」
「汗拭かないと変に体調崩すよ。今日暑いし水分欲しくなるのは分かるけどね」
そういって彼が手に持っていたタオルを奪って頭に投げた。
「うおッ、なにすんねん」
「拭けって言ってんの。ボトルもうないなら回収するよ」
「おーありがとう」
彼の青いボトルを受け取って他の部員からも回収していく。
おつかれ、と声をかけるとみな元気よく返してくれるので可愛らしい。
年下最高。
にわとりの謝罪
作者は部活に入っていない糞ニートなので部活の様子が分かりません。
ご容赦ください。
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作者名：にわとりチキン | 作成日時：2019年4月27日 9時
