東京合宿 ページ5
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「っお風呂行くぞー！皆の者ー！」
練習後、ばんっと勢いよく女子部屋の扉を開き、私はみんなに声をかける。
アンタを待ってたんだと鋭いツッコミを入れるかおりに謝りつつ、ここに来るまでの廊下で木兎に絡まれたことを説明すればみんな納得してくれた。
私らは準備できてるから早く！と笑う英里に、今年は水に濡れると髪の色が変わるカラーチェンジリカちゃん人形を鞄から出して見せる。
「子どもかっ！」
「どうせあとで貸してって言ってくる癖に！」
なんだかんだ言っていつも私にノって遊んでくれる英里と言い合いしていると、可愛い〜Aの〜？とリカちゃん人形の髪を撫でる雪絵が、潔子ちゃんたちに見て見てと私の人形を見せびらかす。
リカちゃん人形にある複数の汚れを見て、めっちゃ遊んでますねと笑う真子ちゃんに、子どもの頃どこにでも持って遊びに行ってたことを思い出す。
「男の子なんだけど、幼馴染の一人がお人形遊び好きでね」
「それ、もしかして青城のひと？」
お風呂場に行こうと部屋を出る皆を追いかけて出ようとした私は、そう言って笑う潔子ちゃんにハッとして動きを止めた。
わーきゃーと英里たちの楽しそうな声が遠のいて行く中、私はずっと確かめたかったことを確認するため、潔子ちゃんに青城の主将と何回か会ったことあるんだよね？と聞き返す。
徹が前に言ってた好きな人の特徴が、他校のバレー部のマネージャーをしていて、鈍感で、可愛い子と、あまりにも潔子ちゃんと類似しているのだ。
「うん。練習試合と大会の時とかね」
そう不思議そうに頷いて答える潔子ちゃんに、よく青城の主将に話しかけられる…？と最後の質問をすれば、挨拶程度だよと言う潔子ちゃんを見て確信に変わった。
潔子ちゃんは可愛いし、失礼だが人の好意に鈍そうだし、絶対徹の好きな子で間違いないと思った私は、その人のことどう思う？と核心に迫る。
「かっこいい…んじゃないかな？」
なぜか困ったような表情で、そう私の顔色を伺いながら言う潔子ちゃんに、私は思わずガッツポーズした。
脈アリだよ！！！徹！！！！
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年2月21日 11時
