【ハイキュー】音駒の3年マネージャー② (ページ25)

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埼玉合宿 3日目ページ25

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中学二年の夏、及川さんと岩泉さんの幼馴染に初めて会った。

俺にとってAさんは、唯一部活について話す相手で、何となく月に数回は電話する習慣が着いた俺は、その時間をとても楽しみにしていた。

けど、中学三年の中総体の準決勝。

チームメイトから拒絶され、チームプレーというのがわからなくなっていた頃、一ヶ月ほど連絡を途絶えさせた俺は、偶然駅の前でAさんに会ってしまった。

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去年より髪が伸びていて、少し大人っぽく見えるAさん。

声を聞かなかったと言ってもたかが一ヶ月だと言うのに、飛雄ちゃんと笑うAさんの声を久しぶりに聞いてひどく懐かしく思う。

やっぱりバレーは続けるのかと進学先を聞いてくるAさんは、俺の事情など知らずに青城かと聞いてきた。

独りよがりなプレー。仲間からの拒絶。

こんな俺なんかでは、到底及川さんには敵わない。

そう口に出しているうちに苦しくなって、もうどうにでもなれと思い始めた俺に、突然、Aさんは腹が空いてないかと聞いてくる。

意味がわからないうちにAさんのおばあさんの家の夕飯に招かれて、Aさんは横で小さな口いっぱいにご飯を頬張ると、おばあさんの料理を自慢する。

そんな姿が何だかいつもより幼く見えて、なんかこう…愛らしい人だと思った。

ご飯を食べたあとも、学校の友達の話や及川さんたちの小さい頃の話など、たくさん色んなことを話してくれて、Aさんの顔を見る度、ころころ表情が変わって飽きなかった。

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「じゃ、またね飛雄！」

帰り際、無邪気な笑顔で俺の名前を呼んで、自転車で去っていくAさんに、グッと苦しくなった胸の辺りを手で抑える。

街灯もないし、辺りは真っ暗で顔なんて見えないはずなのに、Aさんの笑顔だけはよく見えた。

◇

「好きっす」

「え？」

突然のことに目を点にして、何が？と聞く私に、飛雄はもう一度、こちらを真っ直ぐ見つめて口を開く。

「俺、Aさんのことが好きです」

ひとまず話の流れを理解しようと思い返してみるが、いやどんなタイミングやねんと心の中で思わずエセ関西弁が出てしまう。

一旦待って。と飛雄に向かってタイムアウトのハンドシグナルを出した私は、飛雄から少し離れて頭を必死に回転させた。

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