東京合宿 ページ2
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「お久しぶりです」
「ここまでご苦労さま。主将代理」
一緒に降りてきた木兎と副主将の赤葦がこちらに近づいてきたので、私は生川と森然は既に到着していることと、残るは烏野だけであることを伝える。
なぁAー！とウルサイ木兎を無視しながら、私と赤葦が冷静に会話を続けていると、烏野は初参加ですよねと赤葦もデータ0の相手が気になっている様子。
「ウチは練習試合したことあるけど、
相当手強いと思うよ」
そう言って私が笑うと、楽しみですと赤葦も挑発的に笑った。
◇
「澤村ー！」
遠路はるばるご苦労さまでしたとやっと到着した宮城組を労えば、澤村くんの両サイドからひょっこり菅ちゃんと東峰くんが顔を出す。
久しぶり〜元気してる〜？なんてお互いに話していると、潔子ちゃんともう一人、金髪のショートカットの女の子がバスから降りてきた。
「あれ！マネ増えてる！！」
驚いてそう言うと、ビクリと怯えるように振り返ったその子は、こちらに向かってお辞儀する。
女マネ増えたんだねと自分のことみたいに喜ぶ海に、清水が頑張ってくれたんだと父親のように自慢する澤村は、この合宿初参加だからうちのマネをよろしくなと私の背中をポンと叩いた。
ウチのマネちゃんも勧誘頑張ってたんだけどね〜と露骨に手を額に当てて残念がる黒尾に、ギクリとして私は動きを止める。
「清水から色々聞いたよ。
結局、一条の方は後輩入んなかったの？」
「…何人にも同じ理由で断られた」
先輩と比べられるのが辛いので無理ですって。
あの時期はマネを途絶えさせちゃいけないって必死になっていた分、断られる度に相当傷ついたが、澤村もそれを聞いて納得したようにあ〜…と私から目を逸らした。
「てか、なんかメンバー少なくね？」
「あれ、ほんとだ」
烏野のメンバーを見回して、うるさいオレンジ頭と目つきの悪いノッポを探してみるが、辺りには見当たらない。
そんな私たちを見て、あーそれが…と気まずそうにこめかみをかく澤村から、二人は赤点をとって遅刻して合宿に参加すると驚きの発言が出た。
「えぇ、奴らちゃんと電車乗れるの？」
「いや。無理だから
部員のお姉さんが車で送ってくれることになってる」
ぶひゃっひゃっひゃと馬鹿でかい声で笑う黒尾を思い切り叩いて黙らせ、私は飛雄も翔陽くんも一応合宿に参加できることに喜んだ。
◇
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年2月21日 11時
