079 飾物 ページ29
「あー、明日からまた学校か」
色々あった合宿も終わり、久しぶりに帰宅した。
自分の家というのはどうしてこうも落ち着くのだろうか。
台所、洗面所、風呂、トイレ、そしてベッド。
全部が落ち着く、こうでなくては。
GWもあけ、仕事も溜まっているのだろう。
そう考えたら少し憂鬱になるが。
特に何をするわけでもなく、ぼーっとしていたら電話がかかってきた。
今日電話番号を交換した黒尾くんの番号だ。
そういえば、今晩でもかけると言っていただろうか。
「もしもーし」
『もしもし、Aさん？』
「そうだけど、その声は……研磨くん？」
『そう、クロの携帯でかけてる』
予想もしない電話の主にどうしたの、と聞いてみる。
『あのね、色々お礼を言いたくて』
「そんな、いいのに」
『あとね、俺が話したかった』
「私そんな面白い話できないけど」
『でも、楽しいよ』
全然そんな風には見えないけど、そっかとだけ返す。
ただ、わざわざかけてくるくらいだから、本当にそう思ってくれているのかもしれない。
『今日のお菓子ありがと。おいしかった』
「そう？ 何食べたの？ いくつか入ってたでしょ？」
『自分で確認してみてよ』
「えー、何それ。めんどくさい」
『いいから』
重たい腰を上げて、車のキーを持って外に出る。
かなりめんどくさいが、助手席から入りお菓子が入ってるダッシュボードを開けると見慣れない物が１つ。
「なんか入ってる。これ……猫のマスコット？」
『うん、それ今日のお礼にあげる』
「いいの？ こんなに可愛いの貰っちゃって」
『いいよ。ドライブも楽しかった。また乗せて』
「いや、東京と宮城遠いし。私はいつ事故るかヒヤヒヤしてたんだからね」
『運転してるAさんカッコよかった』
「あんま見ないでくれ恥ずかしい……」
『ね、俺の携帯にもAさんの電話番号登録していい？ クロだけずるい』
「いや、黒尾くんは進路の相談をってことでだね」
『嘘だよそんなの』
「……なんで研磨くんが分かるのさ」
『クロが進路に悩んでるわけない』
「君、だいぶ失礼だよ」
『とりあえず、俺の携帯にも登録するから。じゃあね』
「え、ちょ待っ……って切れてるー……」
あまりに一方的な電話だったが、貰った猫ちゃんのマスコットは可愛い。
粋なことするね、カバンに付けようかな。
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ぴえん - めっちゃおもろくてもうとにかく好きです。ー日本語が変なのは気にしないでくださいー (2020年8月3日 10時) (
レス) id: 243282b2cc (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - しらすパンさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。頑張ります！ (2020年5月31日 23時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
しらすパン(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました!!続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2020年5月29日 21時) (レス) id: d0609b57e9 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます。今この時世ですからね、お互いステイホームで頑張りましょうね！ (2020年5月17日 19時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - コメ失礼いたします！一からすべて読ませていただきました。とてもおもしろかったです！体調に気をつけて更新頑張ってください。応援しています！(*´∀｀) (2020年5月17日 0時) (レス) id: bace071e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西 | 作成日時：2020年5月16日 21時
