074 保護 ページ24
「といってもこれは……」
かなり難しいぞ、範囲が広すぎる。
手掛かりもなければ、心当たりもない。
状況を整理して、場所を絞って行こう。
そもそも電話がつながらないのは何故？
電波が届かない場所にいるのか、充電が切れたのか、はたまた誘拐されたのか。
誘拐、は考えたくない……、電波が届かない場所にいるって線も誘拐に関わってきそうだ。
一番現実的で理想なのは、充電が切れたということ。
体育館から仙台駅までは歩いていける距離だからその途中ではぐれ、携帯の充電が切れたというのであってほしい。
それが一番安全かつ見つけやすい。
彼は冷静だからしばらくは歩き回らずにその場に留まってそう。
よし、体育館から駅までの道のりをゆっくり走って行こう。
「……でも誘拐とかされていたらどうしようもない」
意外と可愛い顔をしている研磨くんだからありえなくもない。
「やば、早く見つけてあげないと」
少し焦りながら、周りを見れるようにゆっくり前進した。
「…………あっ！！」
しばらく、車を進めていると、見覚えのある道に出た。
そこは日向くんと研磨くんが出会ったところ。
そして、同じ場所に真っ赤なジャージを着た研磨くんがポツンと座っていた。
よ、良かったああああ……。
これでとりあえず無事は確認できた。
あとは、黒尾くんと先生方に連絡しないと。
「……ん？ 誰だ、あの男」
研磨くんに近付くにつれ、何だか様子がおかしい。
少し不審な男が研磨くんに話しかけて、研磨くんは明らかに拒否の態度を出している。
「……もろ不審者じゃん」
――プッ！！！！
短くクラクションを鳴らして威嚇すると、男と研磨くんはビクッと体を跳ねさせる。
研磨くんまで驚かせてごめん。
近くまで来て、防犯の観点から侵入されない程度に少しだけ窓を開けると、２人と目が合った。
「すみません、何してるんですか」
「あ、いやあ、この子が迷子だって言うからさ。交番まで送ってあげようと」
「そうですか。私、その子の保護者ですので。どうもありがとうございました」
男に少し強く言えば、たじろいだ。
その間に助手席に乗ってと研磨くんに言えば、逃げるように私の車に乗り込む。
研磨くんが乗ったら車のロックをしっかりしてその場からすぐ離れた。
……めっちゃ怖かったけどとりあえず車で来ていて良かった。
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ぴえん - めっちゃおもろくてもうとにかく好きです。ー日本語が変なのは気にしないでくださいー (2020年8月3日 10時) (
レス) id: 243282b2cc (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - しらすパンさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。頑張ります！ (2020年5月31日 23時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
しらすパン(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました!!続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2020年5月29日 21時) (レス) id: d0609b57e9 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます。今この時世ですからね、お互いステイホームで頑張りましょうね！ (2020年5月17日 19時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - コメ失礼いたします！一からすべて読ませていただきました。とてもおもしろかったです！体調に気をつけて更新頑張ってください。応援しています！(*´∀｀) (2020年5月17日 0時) (レス) id: bace071e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西 | 作成日時：2020年5月16日 21時
