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失敗 ページ33

スペードから、ボスの子供かもしれないと聞き、このまま任務を遂行するのに、少し躊躇した。

もし、本当にボスの子供なら、あの四人が偽装した理由も何となく分かる。

僕達を拾ってくれた、恩のある人の子供を、殺す事なんて出来ない。

例えそれが、その恩のある人が依頼した事でも。

「どうした?
難しい顔してさ。」

そう、ハートが聞いてきた。

「いや、本当にこのまま任務を遂行して良いのかなって思ってさ。」

「確かに。
俺だって、出来る事ならしたくないけど、ボスを裏切る事はもっとしたくないから。
俺は任務を成し遂げるよ。」

「、、、そうだよな。
うん。
僕もそうするよ。」

ただ、この思いを持ったままだと、失敗しそうな気がする。

この思いは、ここで消さないと、大変な事になるだろう。

そう、漠然と思った。

「で、JOKERさんを調べるって言っても、どうやって調べるの?
JOKERさんは多分、あの四人側に付いてるだろうから、そんな簡単に教えてくれないでしよ?」

ハートが不安そうに聞いてくる。

「JOKERさんを見張るとか、色々あるだろ?
とにかく、少しでも多くの情報を得ないと。」

「なるほど。
じゃあ、俺がJOKERさんを見張るよ!」

「いや、ハートは此処に居て?
僕がJOKERさんを見張るから。」

えー、と拗ねるハート。

「ハート、運転免許持ってないでしょ?
だから、此処に居て?
僕があの車で行くから。」

そう言って、此処まで乗ってきた車を一瞥した。

「分かったよ。
俺が此処に居れば良いんだろ?」

まだ納得がいかないのか、ブツブツ言うハートに、じゃあねと言って、この場を後にした。

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作者名:童子 | 作成日時:2019年10月25日 8時

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