KissAssassin (ページ12)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:12,617 hit

偽装ページ12

｢悪気は無いんだ。
ごめんね。｣

後ろから口元を抑えられ、目の前にいる男に腕を浅く切られた。

ナイフから滴る血液を地面に数滴垂らす。

そこで意識が無くなり、目を覚ました時、私は知らない人達と、知らない車に乗っていた。

｢あ、気付いた？
どお？
腕、痛むよね？｣

私の腕を切った男が言う。

ぶつかった時は、あんなにカッコよく見えたのに、今はただただ怖い。

｢本当にごめんね。
でも、ああするしか無かったんだ。｣

悲しそうな笑顔で謝られても、私は許す気が無いし、例えそうしなきゃいけなかった理由があろうと、この状況は意味が分からない。

｢そう言われても何が何だか、訳が分からないよね。
少しの間、別の場所で過ごしてもらうから、家には帰れないんだけど、その間俺達が君を狙う悪い人達から守ってあげるから。｣

悪い人から守ってくれる？

私を傷つけたのに？

言ってる事がよく分からない。

怖くて何も言えないでいると、色気が溢れている男の人が私に話す。

｢これから、少しの間お前が過ごす場所に行く。
そこで詳しい説明をしてやるから、今は黙って俺達の言う事を聞いていればいい。｣

少しの間過ごす？

説明？

そんな事を言われても、恐怖しかない。

でも、言う事を聞かず勝手な行動を取るのも、何をされるか分からなくて怖い。

だから、黙って言う事を聞くしかない。