裏切り ページ23
−Aの隠し場所では−
｢ねえ、これ分かる？｣
｢ん？
どれどれ、、、。｣
ゼロの出す宿題で解らない所があり、ファイブに聞いた。
｢あぁ。
これはね、この公式を当てはめるんだよ。｣
｢成程。｣
｢ね？
出来たでしょ？｣
ファイブは、ゼロとは違い、優しく説明してくれる。
もういっそ、ファイブが全て教えてくれたら良いのに、とさえ思う。
｢何でそんなに優しく教えてくれるの？｣
｢え？
だって解らないんでしょ？｣
｢そうだけど、ゼロはもっと厳しいよ？｣
あぁ、ゼロは不器用だからね、と笑いながら話す。
｢あ？
何だと？｣
｢うわ！
ビックリしたー！｣
いつの間に、私達の傍へと近寄って来たのか分からなかったが、そこには鬼の形相をしたゼロが居た。
｢Aは五月蝿いんだよ。
ほら、晩飯だ。｣
そう言って、私が宿題をしている机とは違う、もう一つのテーブルの上に、持って来たご飯を置いた。
｢美味しそー！
これ、誰が作ったの？｣
｢シックスだ。｣
シックスって、料理出来るんだなぁ、なんて思っていると、ゼロがファイブに何やら話し出した。
｢ちょっと調べて欲しい事がある。
頼めるか？｣
｢良いよ？
でも、これ食べてからね。｣
そう言って、ファイブはゼロが持って来たご飯を食べ始める。
｢Aちゃんも、宿題を一旦置いて、一緒に食べよ？｣
分かったと言い、ファイブと一緒に食べ始める。
美味しー、なんて言いながら、パクパクと食べていく。
気が付くと、箸が進み過ぎたのか、食べ終えてしまった。
ふと横を見ると、真剣な表情で、ファイブと話すゼロが。
あぁ、さっき言ってた頼み事ね。
なんて思いながら、食べ終えた食器を簡単に片付けた。
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作者名：童子 | 作成日時：2019年11月3日 17時
