救出 ページ14
「ねぇ、暇なんだけど。
なんか話してよ?」
「はぁ?
暇だったら、勉強でもしとけ。」
「えー。」
セカンドと、他愛も無い会話をしていると、アジトに繋がっている扉が開いた。
そこには、走ってきたのか、息を切らしているファーストが。
「何だよ?
どうした?」
まだ息を整えているファーストに、セカンドが聞いた。
「トランパーに乗り込むって。
で、そのメンバーに、セカンドが選ばれたって、報告。」
「え?
乗り込むって。」
それ以上言葉が出て来ず、私はセカンドとファーストを、交互に見た。
「あぁ、その事か。
けど、お前には関係の無い話だ。」
そう言って、セカンドは私の頭を撫でた。
「後は、、、。
お願いします。」
セカンドは、JOKERさんの方を見ながら、それだけを言ってアジトへと向かった。
「ちょっ、、、。」
「ごめんね。
でも、巻き込む訳にはいかないから。」
私の制止の言葉を途中で遮り、ファーストも、セカンドの後を追うように、アジトへと戻って行った。
「二人は、Aちゃんの事を思って、ああいう風に言うしか無かったんだよ。
分かってあげて?」
JOKERさんにそう言われたが、そんな事、とっくに分かっている。
分かってはいるけど、少しは私にも話してくれたって良いじゃない。
そう思ってしまう自分が居る。
S-Aの皆を、心から信用していないくせに。
バカだ。
それでも、私は知りたかった。
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作者名:童子 | 作成日時:2019年11月3日 17時