裏切り ページ25
ファイブがアジトへと戻り、ゼロに頼まれた事を調べ始めた。
｢あれ？
Aん所行ってたんじゃなかったの？｣
そう、フォーがファイブに聞いた。
｢あぁ、なんか調べて欲しい事があるって頼まれて。
で、ゼロと代わってきた。｣
成程、と納得するフォー。
｢何を調べて欲しいって？｣
シックスはそう言いながら、パソコンを覗き込んでくる。
｢トランパーの新四天王が、動き出したらしくて。
それが本当かどうか調べてる。｣
｢じゃあ、俺も調べに行ってこようか？｣
｢いや、シックスはまだ動かなくて大丈夫。
確認するだけだから、僕だけで充分だ、ってゼロが言ってた。｣
そうか、とシックスは呟いた。
｢でもさ、何で分かったのかな？｣
サードのその質問に、調べながらもファイブが答えた。
｢JOKERさんだよ。
どうやら、向こうの事情を探ってくれていたみたい。｣
｢多分、ゼロの指示だな。
最近トランパーの暗殺者を、次々と救出しているから、その動きに気付かれたのかもな。｣
ファイブの答えを聞き、冷静に分析したサード。
｢あ！
これかな？｣
何かを発見したようで、ファイブが皆にパソコンの画面を見せた。
そこには、トランパーのアジト近くにある、四つの防犯カメラの映像が映し出されていた。
｢これのどこが動き出してるんだよ？｣
初めからパソコンを覗いていたシックスが、画面に指差しながらそう言った。
｢まぁ、見ててよ。｣
そう言うと、ファイブはキーボードに何やら打ち始めた。
Enterキーを押したのか、ターンッと音が聞こえ、映像が早送りされる。
どうだと、ドヤ顔で自慢してくるが、誰もファイブの事なんか見ていなかった。
｢ちょっと待て。
巻き戻してくれ。｣
サードの制止を聞き、ファイブは映像を一旦停止させ、巻き戻す。
｢ここだ！
この日だけ、何時もの時間と違う動きをしてる。
前日の映像出せるか？｣
そう言われ、その日以前の映像を流す。
｢ほら、この日以外のこの時間帯、トランパーには居ない筈なんだ。
なのに、この日はトランパーに居た。
しかも、大量に武器を持ってる。｣
サードは画面に指差し、指摘した。
それに、意義を唱えるフォー。
｢いや、違うんじゃない？
ほら、ただの任務って事もあるんだしさぁ？
考え過ぎなんだよ。｣
｢考え過ぎなら良いんだけどな。｣
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作者名：童子 | 作成日時：2019年11月3日 17時
