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文化祭の幕が閉じ、今は片付け中だ。
大きな机を一人で持とうとしたけど
これ凄く重いな。
でも持てなくもないから頑張って運ぼう
「持つよ、これ重いっしょ。みやびは
あの椅子持っていってくれる?」
「うん分かった。ありがとう」
そう言って私に頭ポンポンする裕太。
こんなの漫画でしかみたことなかったよ。
まさか裕太にされるときが来るなんて。
また裕太にドキドキする。
今日の私、凄く変だ。
「みやび、どうしたのボーッとして」
「えっ……?何にもないよ」
「そう、なら良いけど。今日は二人で
帰らない?話したいことがあるんだ」
「うん」
よく二人で帰ってるけど今までそんなこと
言われたことなかったからから、少し驚いた。
裕太は私に何を話したいんだろう。
「じゃあ俺これ運ぶから、また後で」
「うん、重たいけど気を付けてね」
「みやびにとって思いかもしれないけど
俺にとっては全然重くねぇから」
あんなに重かった机を軽々持ち上げる
裕太に格好良い。って思った。
「みやびちゃん、お疲れ様。貴方もやればできるのね」
ちょっと上からだけど珍しく誉めてくれる萌ちゃん。
「でも、私の方がお客さん喜んでくれてたけどね」
やっぱり、そう言われるだろうと思った。
「それより、今日チャラチャラした人達に絡まれてたけど助けてあげれなくてゴメンね」
萌ちゃん、そんなこと思ってたんだ。
今までただのぶりっこだと思ってたけど
案外良い人なのかもしれないな。
「ねぇ、玉森くんのこと好きでしょ?」
突然そんなことを言い出す萌ちゃん。
自信満々な顔してるし。
「えっ?そんなわけ
「あるでしょ?みやびちゃん
分かりやすいし、私応援するよ」
「だから好きじゃないって。でも、今日私変なんだよね。裕太に何故かドキドキするの」
杏奈にも言わなかったことを萌ちゃんに話してみた。
そうしたら萌ちゃんは
にやーっと笑ってそれが恋だよと言った。
「まぁ口では否定してても、心は嘘つけないからね」
心は嘘つけない、か。
だったらドキドキすることが恋なの?
何か良く分かんないな
だって私はこの歳にもなって
未だに恋をしたことが無いんだもん。
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作者名:みや | 作成日時:2018年6月10日 23時