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「おかえりなさいませ。ご主人様」
「ヤバい、チョー可愛い」
「俺らご主人様だってさ」
私の放った一言に盛り上がる男子たち。
こういう人達、私苦手なんだよな。
早く帰ってもらいたいな。
でもせっかく来てくれたんだから
頑張って接客しないと。
「ねぇ、君名前は」
「長谷川みやびです」
「ねぇみやび、俺たちと一緒にどっか
遊びにいかない？いいとこ知ってんだよね」
そう言って私の腕を引っ張ってきた。
もしかしてこれって、ナンパってやつかな？
凄いニヤニヤしてるし、やっぱり怖い。
ここで断ったら怒られたり
するのかな？
誰か、助けて……
「あんたたち、みやびになんかよう？」
凄く低い声がしたと思ったら、
チャラ男が引っ張っているのと違う方の腕
を引っ張られた。
裕太だ……
助けに来てくれたんだ。
顔も明らかに不機嫌で、眉間にシワが
よっている。
ここまで低い裕太の声も、ずっと一緒に
いるけど、今まで聞いたことがない。
「ちょっとみやびと遊びに行きたいなぁって
思ってさ」
「今無理なの分かるでしょ？
つうかみやび怖がってんだけど」
裕太だって少しは怖いはずなのに、私を
全力で守ってくれていて、
今まで可愛いとしか思ってなかった裕太が
今は凄く逞しくて格好よくみえる。
「お前何様なの？ムカつくんだけど」
「ムカつくのは此方の台詞だよ。さっさと
ここから出ていけよ」
その言葉に怒ったチャラ男は裕太を
殴ろうとして拳を思いっきり振りかざした。
私は裕太がやられているのを見ているのが
怖くてギュッと目を瞑っているけど、
裕太の痛い。っていう声も聞こえなければ、
誰かの悲鳴だって聞こえない。
思いきって目を開けてみると、殴ろうと
していたチャラ男の腕に思い切り間接技を
かけていて、逆にチャラ男が痛そうにしていた。
それが思いの外痛かったのか逃げ出したチャラ男。そのあとに続いてグループの人達が
皆教室から出ていった。
良かった……助かった。
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作者名：みや | 作成日時：2018年6月10日 23時
