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「あれ楽しそう。スピード凄くない?
皆あれ乗ろうよ」
そう言って萌ちゃんが指差しているのは
この遊園地で最も怖いとされている
ジェットコースターだ。
「俺乗る。杏奈隣座ってよ」
「いいよ。楽しそうだね」
皆行っちゃうんだ。
実は私、ジェットコースターすごい
苦手なんだよね。
ここは雰囲気を壊さないように皆に
着いていくべきだよね。
「なんか怖そうだし俺却下。
みやびとここで待っとくから
いってらっしゃい」
「うん、分かった。
じゃあいってきまーす」
三人がジェットコースターに向かって
いった。
本当は裕太だってジェットコースター
大好きなくせに、私のこと思ってくれてか
私と待っとくって言ってくれるなんて、
どんだけ優しいのよ。
私をどれだけ好きにさせたら気がすむのよ。
「やっと二人っきりになれたね」
「そうだね。二人っきりだね」
「よし。観覧車乗りに行こう。
待ってる時間がもったいないじゃん」
「えっ?でも皆待っとくんじゃ」
「何言ってんの?俺みやびと観覧車乗り
たくてジェットコースター乗るのやめたん
だよ」
あぁーー、そう言うことね。
と納得して私も観覧車に乗るのを賛成した。
「何名様ですか」
と聞くスタッフのお姉さんに二名ですと、
二人ではもって早速観覧車に乗り込むと、
何故か私の隣に座りだす裕太。
他にも席があるのに、狭いからあっち側
行ってと言おうとしたら
「隣同士でドキドキする」
と至近距離で言われ、私までドキドキして
きて、何も言えなくなった。
「わぁー。どんどん地面から
遠ざかってるよ。人が小さくなっていく」
「あはは。みやび今日一番の
はしゃぎっぷりだね」
「だって観覧車凄い好きなんだもん」
「俺も好き」
と耳元で囁かれて背筋がぞわーっとする。
私は凄く耳が弱い。
そんなことが付き合って直ぐにばれて
さんざん耳で遊ばれ続けた。
「みやび、こっち向いて」
「また耳元で言わないでよね」
睨んでやろうと思って裕太の方を
振り向いたら
裕太の唇が私の唇と触れあった。
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作者名:みや | 作成日時:2018年6月10日 23時