ニフラーから戻った私

平穏 ページ8

それから、しばらくソファに座ってまったりしていると、ニュートが立ち上がった。

ニュート「みんなにご飯あげてくるけど…Aは行く？」

『行く行く！━━あっ』

ニュート「A！？」

勢いよくソファから立ち上がると、一瞬目の前が真っ暗になった。が、すぐにニュートが抱きとめてくれたから倒れることはなかった。

『ありがと、ニュート。…トランクの中へは行けなさそうだね…』

ニュート「うん。僕一人で行ってくるからAはゆっくりしてて。なるべく早く済ますから」

『はーい』

…トランクの中、行きたかったな。人間の姿に戻ったよってフーゴやナナに報告したかったし、約束通りキラキラしたものをあげたかった。

ニュート「そんな顔しないで！すぐ帰ってくるから。あ、トランク近くに置いておくから、何かあったらトランクの蓋を叩いてね。アクシオ」

ニュートはトランクを呼び寄せて、中に入っていった。

…やっと一息つけた。今までいろいろあったからなぁ。こういう何気ない平穏が一番嬉しい。

『ふぅ』

…ニュートはトランクの中に入ったら軽く2時間は出てこない。なるべく早く済ます、って言ったから1時間半くらいだと思うけど。その間に紅茶でも入れるか。

『アクシオ』

私はポットやティーカップ、茶葉を呼び寄せて、紅茶を淹れ始める。準備を終え、一口飲むと、口の中に紅茶の香りがぶわっと広がった。

…あとでニュートにも飲ませてあげよう。




アクシオ

物を呼び寄せる呪文

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