決壊 ページ32
…どこでもいい…。安全な場所…。どこでもいい…。安全場所…。
そう心の中で呟き続けて、着いた場所は何処かの丘の木の下だった。辺りを見渡してみるも他には何もなく、ただ青々とした草が広がっているだけだ。
ザアザアと雨が降っている。木の下にいても雨は降ってくる。そのせいで、とても寒い。
…どうしよう。まだやり残した書類もあるし、今日中に提出しなきゃいけない書類もある。 MACUSAに帰らないと…
『痛っ…』
呪文が当たった足から、血がどくどくと出ている。
…MACUSAに戻る…?戻ったらきっと…きっとまた…。
『帰りたくない…。帰りたくない…!』
つー、と涙が頬を伝う。
シュン…/
?「……」
『…もう…嫌だ。何もかも…嫌だ。何もかもが怖い。…帰りたくない。…あなたに…あなたに会ってなかったらこんな風には…!』
グリンデルバルド「…すまない」
『私の力…?それが、なに…?こんなに狙われるものなら、こんなに重荷になるのなら、いらない。オブスキュラスも引き剥がせるのならこの力も引き剥がしてほしい…。あなたなら、そんな魔法、使えますよね?とってください…引き剥がしてください…!私にはこんな力いらない…!いらないのに…!!』
ポツ、ポツと涙が落ちる。
グリンデルバルド「残念ながら…私にも、私以外の魔法使いでもそんな魔法は使えない。…すまない」
『…そう……そうですか…』
グリンデルバルド「私の元へ来てほしい、A。魔法省には君の力を使おうとしている人が多くいる。このままそこにいては、君の心も体も壊れてしまう。魔法省には、君の敵が多くいるんだ。だが…、私の元へくればそういった者から君を守ることができる。…排除できる」
雨にグリンデルバルドの声がよく響く。
…確かにそうだ。グリンデルバルド以外にも私の力を狙っている人は多いだろう。行けば、守られる。守って、もらえる。
──…行ったら…手を取ったら……もう…苦しまずにすむ…?──
グリンデルバルドに手を伸ばしかけた、その時。
ニュート「Aから離れろ!レラリオ!」
バチッと音がして火花が散り、私とグリンデルバルドの間に距離ができる。
グリンデルバルド「チッ……」
ニュート「A!!」
ニュートは私を守るように前に立つ。グリンデルバルドは諦めたのか、
グリンデルバルド「…また会おう、A」
そう言って、姿くらましをして消えた。
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リサ - こんばんわ。いつもこの小説を読んでいます。次も楽しみです。闇落ちの方を読んでみたいです。 (9月8日 0時) (レス) @page28 id: ebda27dca2 (このIDを非表示/違反報告)
ルイーザ(プロフ) - みかんさん» コメント有難う御座います。作品を楽しんで頂けて、とても嬉しいです。闇堕ちですね。有難う御座いました。拙い文章ですが、これからも楽しみにして頂けると嬉しいです。 (2019年9月4日 16時) (レス) id: 4a1e9af14b (このIDを非表示/違反報告)
みかん - こんにちは。いつもこの小説を楽しみにしています。闇落ちのほうを読んでみたいです!楽しみにしています!! (2019年9月3日 12時) (レス) id: 10b371d446 (このIDを非表示/違反報告)
ルイーザ(プロフ) - きなこさん» 返信遅くなり申し訳ないです。コメント有難う御座います。そう言って下さり、とても嬉しいです。闇堕ちありですね、有難う御座いました。拙い文章ですが、これからも楽しみにして頂けると幸いです。 (2019年8月29日 8時) (レス) id: 4a1e9af14b (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - はじめまして、こんにちは!!この作品がとても好きなので、いつも楽しみにしてます♪私的には闇落ちルートありだと思います!!これからも楽しみにしてますね。 (2019年8月28日 9時) (レス) id: 5408dae180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルイーザ | 作成日時:2019年7月6日 8時