ニフラーになった私

最悪な出会い ページ26

幸いなことに、夜遅くだったから道には誰もいなかった。だから、ニフラーという魔法動物である今の私は誰にも気付かれることもなく行くことができた。

そして、夢の中に出てきたあの場所へたどり着き、角を曲がると同時に魔法が私に向かって飛んできた。カラン、という音を立てて私の杖が地面に落ちる。

そして、私の姿が元の人間の姿へ戻った。その反動で私はグラッとよろめき、私を元に戻してくれた人が支えてくれた。

？「おっと、大丈夫かい？」

『あ、はい。ありがとうございま………っ……！？』

ありがとうと言おうとして顔を見た瞬間、言葉を失った。

黒いコートにプラチナゴールド色の髪、月のような白い瞳と墨のような黒い瞳。そして…禍禍しい魔力。

何度も何度も新聞で見たこの人を、私は知っている。


━ゲラート・グリンデルバルド。最悪な闇の魔法使い━

そう確信すると、勝手に体がガタガタと震えだす。

…怖い。怖くて仕方がないけど…弱みを見せちゃいけない。この人は…そうやってつけ込んでくるんだから…！

私は杖を拾って、構えた。


『…はやくここからいなくなってください。通報はしませんから』

グリンデルバルド「…ほぉ、通報はしない？それはなぜだ？」

『気まぐれです。……私はあなたの信奉者になるつもりはないので』

ガタガタと震える足をムリヤリ動かしその場から、グリンデルバルドから離れようとする。しかし、足が動かなかった。



Blu-ray&DVD発売記念。特別にもう一話。

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