なんで、どうして。2 ページ3
_
you side
『…どうしよう、…』
ちょっと前に携帯が壊れてから、連絡先をまだ新しい携帯にいれてなかったから名前が表示されてなかったけど…間違いない、はじめの、番号。
電話のアプリについている、1の通知。
どうしよう、かけ直すべき?えっと…どうしよう
〜〜♪
考えていると、また携帯が鳴った。
おなじ、ばんごう。
『…っ、…はい、もしもし……?』
声、震えてないかな。
はじめ「あ、…もしもし…リン?」
『…うん』
はじめ「あー、の、えっと、…久しぶり。はじめ、です」
『…ほんと久しぶりだね…。急にどうしたの…』
はじめ「助けて、ほしくて」
『…え?』
予想もしていなかった、助けてほしいという言葉。
話を聞いていると 動画の編集を付き合って欲しいとか、なんとかで。はじめから電話がかかってきただけで、頭がついていかないのに、編集を、手伝って、ほしい…? 開いた口が塞がらない。
『っ、でもなんで私に…そんな、急に言われても』
はじめ「今みんな体調崩してて、編集追いつかなくて、さ。軽く教えたらすぐ編集できる人で俺からお願いできる人、リンしか思い浮かばなくて。編集、よく手伝ってくれてたじゃん…」
『…でも、』
はじめ「お願い、リン…ほんと、急にごめん」
『………わかった……』
はじめ「!!ほんと、?!」
『うん、編集…手伝う』
はじめ「ほんっっっとにありがとう!!今日の夜とかから俺ん家来れる?」
『遅くなっちゃうけど、それでも良ければ』
はじめ「待ってる、連絡頂戴」
『ん、わかった』
それじゃあ、と通話終了を押す。心臓の動きが早い、いつもより部屋が静かに感じる。なんで、手伝うなんて言っちゃったんだろ。元カレなんて、会っても苦しくなるだけじゃんね。
別れる前とあんまり変わってなかったな、はじめ。
でも、あんな風に別れたのに、私に会うの嫌じゃないのかな。本当に私にしか頼めなかったのかな。
自分じゃ答えの出ない問いが頭の中でぐるぐるまわる。
『…支度、しよ』
このぐるぐるを少しでも紛らわせるために、服を脱ぎ捨て、お風呂場へと向かった。
_
54人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Nico | 作成日時:2020年4月28日 19時