黒く染まる白

7. 立花side ページ8

1時間たってもAちゃんは現れない。



何かあったのかも！




翼が電話かけても出なくて。



「ダメだ。出てくれない」



そう言った翼の顔も、それを聞いたみんなの顔も不安でいっぱいだった。




「警察に連絡するか？」



「いや！これは俺らで解決しよう！」



「もし、誘拐、とかだったら僕たちだけじゃ危ないよ」



「捜索願を提出するのは基本親戚だ。親しい仲であれば出せることは出せるが俺たちは子供だ。あの警察が俺らのを受け取ってくれるか？」



「なら、Aちゃんの家族にまず伝えれば…」



私がそう言うと上杉くん、黒木くん、小塚くん、若武の顔がわずかに歪んだ。



「あいつ、両親も兄弟も5年前に他界したんだ」







そんな…知らなかった…！






「親戚は受け取ってはくれず、金銭面だけ工面してもらってるんだ」



翼と忍も知らなかったようで目を見開いていた。



書斎にはなんとも言えない、空気が流れた。



それを変えてくれたのは黒木くんだった。




「そんなことより、今はAの安全だ第一だ。」



そうだね。




「警察にも一応相談してそれと並行して俺たちも捜査を進める、ってのはどう？」




「よし！それで行こう！まずは警察だな」



全員が立ち上がった時、翼の携帯が鳴ったんだ。







「Aからだ！」




全員が動きを止めた。



翼はスピーカーフォンでみんなに聞こえるようにしてその場に座った。








「もしもし、A？」






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