黒く染まる白

4. 西崎side ページ5

私＿西崎A＿は久しぶりの集合に胸を躍らせていた。



どうせ、近況報告、とか言い出すんだろうが、久しぶりにみんなに会えるのは嬉しい。





私は自転車を前にして顔を痙攣らせた。


「うわ、最悪。タイヤパンクしてる」



自転車の前輪がパンクしていたのだ。



幸い、若武の家との距離はさほどない上、今は歩いて行っても十分くらい間に合う時間なのだ。




仕方ない、と腹を決めて家を出発した。





暫く歩いていると前の方から黒髪ストレートの若い女性が歩いてきていた。


私は目に留めず歩いたいたが、何故か、彼女は通り過ぎた私の方をジッと見つめていた。




流石に居心地悪く歩く足を早めたとき、




何者かに後ろから押さえつけられ口を何かで覆われた。



大声を出そうと大きく息を吸うと口を覆っているハンカチは何か薬を含んでいるようで急激に眠気が襲ってきた。



押さえつけている人の方を振り向くと先ほどの女性だった。




やめて＿＿＿＿＿＿




助けて＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





そう、叫びたかったけど睡眠薬のようなものによる眠気に勝てず、



その思いは、声にならなかった。







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