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普段通り ページ18

「大きい…」
「すごいね!旦那さん稼いでるんじゃないの」




結婚式の会場を見上げて
安奈とあんぐり口を開けた。




「私も玉の輿に乗りたーい!」
「彼氏いるんでしょ?」
「いるよ、平凡なね」




行こ!って、腕を引かれ受付へ。




「私なんて彼氏すらいないよ…」
「Aなんて選びたい放題でしょ?」
「いやいや、選んでもらえたら誰でもいいレベルまで来てるよ」
「バカね〜!Aは気付いてないだけで、モテるんだから」




受付は、未来の地元の友達かな?


「おめでとうございます」って、ご祝儀渡して、
ウエルカムドリンクを持って、時間まで安奈と談笑。


シャンパンが似合うなぁ安奈は。
私が持ってたらジンジャーエールみたいじゃないか…ッ!




「モテるのは安奈でしょ」
「否定はしない」




あははって笑って乾杯。
ふと、安奈が思い耽った顔をして「でもさ」って呟いた。




「本当に好きな人にモテなかったら意味ないよね」
「安奈…?」
「私さ、今の彼すごい好き。でも…」
「忘れられない人がいるの…?」




安奈はやるせなく笑って、それ以上は何も言わなかった。



安奈の気持ち、痛い程わかる。
ヒロくんと高校の時付き合った動機と全く一緒。



自分の軽はずみな行動で
相手を傷付けている事にも、気付かずに。




「さて、綺麗な未来見に行きますか!」
「そうだね!」




安奈に続いて歩き出せば、
前方に久しぶりに見る千冬の姿が。



スーツをピシっと着こなして、タケミチくんたちと談笑してる。



カッコ良すぎて、つい見惚れていると、
千冬が突然こっちを振り向いた。



くるんと方向を変えて、私の方へと歩いてくると、目の前でピタッと足を止める。




「あれ?千冬くんじゃん!久々!」
「安奈ちゃん同窓会来なかったもんな」
「里帰りしててさー!元気?」
「元気元気!安奈ちゃんも元気そうだな」




二人がニコニコ話している間も
目の前のスーツ姿の千冬に、ドキドキ心臓がうるさく鳴ってる。


タケミチくん達も、
「おー!Aちゃんと安奈ちゃんじゃーん」って、近寄って来た。




「A」




千冬に名前を呼ばれた。


ただそれだけなのに涙が溢れそうで。
「久しぶり」って笑えば、私の顔を覗き込むように少し屈んだ。




「飲み過ぎんなよ」
「……うん!」




いつも通りで安心した。


ほらね一虎さん。


千冬が私と会わないくらいで
機嫌の波が変わるなんて事、ないんだよ。

戻れない→←ご機嫌ナナメ



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みい - 面白かったです! (5月1日 14時) (レス) @page50 id: 957bb83be5 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして!千冬の小説の中でいちばん大好きです♡︎ʾʾ (6月5日 9時) (レス) @page50 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ? - ずっと泣いてました。涙腺しにました。千冬くんのこともっと好きになりました。 (2022年11月5日 12時) (レス) @page50 id: dc4cbab92b (このIDを非表示/違反報告)
華ノ子(プロフ) - 泣きました〜‪( ;ᯅ; )‬matsuriさんの作品本当に好きです… (2022年7月29日 2時) (レス) @page50 id: 71c3cf5627 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみさん(プロフ) - 本当にいつもどの作品もmatsuriさまのは素晴らしいです。もう素敵すぎて逆にしんどいです笑 三ツ谷読みたいので、次作楽しみにしております!でもたまに灰谷兄弟の更新もお願いします笑 (2022年7月7日 13時) (レス) @page50 id: e87bae8502 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:matsuri | 作成日時:2022年5月23日 18時

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