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唇が離れ、至近距離に千冬の顔。
「……なん、で…」
「すきだよ、A」
噛みしめるように、私を真っ直ぐに見つめて囁いた。
「……デートの途中でいなくなるくせに」
「もうしない。本当ごめん…」
「わがまま言ってもいい？」
「ん？何でも言って」
さすがに調子に乗り過ぎかな…。
でも、この勢いのまま言ってしまいたい。
ずっと言えなかった事。
「もっと会いたい…」
「えっ…」
ヤバイ！恥ずかし過ぎる！
あわあわ
「やっぱ今のナシ」そう言おうとした瞬間、
千冬が正面から私を抱きしめた。
「待ってどうしよ可愛すぎて悶えるんだけどヤベェ」
「……いいの？」
「当たり前だろ？わがままの内に入んねェよんなの！」
「……良かった…」
「俺ももっと会いたい！」
忙しいから遠慮してた。
だけど、私の思いとは裏腹に、千冬は満面の笑みで応えてくれる。
私の髪にかかったパウダースノーを払って
「風邪引くから帰んぞ」って、手を握って歩き出す。
私には、気になっていた事が一つ。
「千冬」
「ん？」
「私のどこを好きになったの？」
初めて会った日も、不愛想で可愛げなんてなかったでしょ？
「みんなのサラダ取り分けて、配分間違えて自分の分なくなっちゃったとこ」
「は！？」
「トイレのスリッパ履いたまま戻って来ちゃったとこ」
「ちょ、見てたの！？」
「お冷と焼酎間違えて飲んで、ウゲェって顔したとこ」
「恥ずかし…っ」
「んで、店出る時自動ドア反応しなかったでしょ？」
「うん…」
「エスカレーター乗るタイミングもわかってないしさ」
信号待ち。
千冬が優しく私を見下ろしている。
「俺が守ってやりたいって思った」
「……っ」
「このおドジさんを」
にししって笑って、私のおでこを指でこついた。
「一人で生きてけるなんて、そいつらはAの何を見てたんだろうな？」
あれ、おかしいな。泣きそうだ…。
「でも、正直俺は嬉しいよ」
「うれし…？」
「うん！そのおかげで、今Aは俺の彼女だし」
優しい笑顔に、思わず飛びついた。
千冬は私を弱くする。
背中に回った腕が、温かい。
「千冬がいないと生きていけない」
「ん、いいよ。俺が守るし」
いつでも私に目を向けてくれる千冬に
凍った心が溶かされていく。
この日から、甘える事に躊躇がなくなった。
私達の始まりは、いつも寒い雪の日。
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だいこん - えっすきすぎる、、、！！！場地さんのとこずっとキュンキュンしっぱなしで、、、！！！ほんと天才すぎますっ！！こんな神作を、、、、！！！✨✨✨ありがとうございますっ！！ (3月14日 21時) (
レス) @page28 id: fdeded875e (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 三ツ谷くん夢本当良きです! (2023年4月20日 10時) (レス) @page14 id: f3df519faf (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ - ドラケンくんで泣きました。今まで読んできた小説の中で一番キュンとしました。ほんとうにこんなにおもしろい小説を無料で読めるなんて贅沢です。ありがとうございます！！！ (2022年10月24日 11時) (レス) id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - もうなんなんですか!!天才ですね!!最高でした!!!ありがとうございます。 (2022年8月27日 21時) (レス) @page47 id: bd86862afa (このIDを非表示/違反報告)
睦月 - 初めまして！小説読ませて頂きましたが素敵な作品ばかりでした！キュンキュンしちゃいました（笑）個人的にはイヌピーとココが好きなので短編を書いてくださると嬉しいなぁとか思ってます。個人的な意見を言ってすいません(><) (2022年7月23日 2時) (レス) id: 3944e3eebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：matsuri
| 作成日時：2022年2月15日 17時
