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「昨日もすぐ追えなくて悪かった」
「ううん…」




若くんが私の手を握って
出会ったベンチへと歩みを進めた。




「若い頃のお前に、また見惚れちまって」
「私はあんなの見たくない…」
「何で?」
「今と全然違うから」
「昔の自分が嫌い?」
「……うん」




若くんがベンチへと座った。
私は、その場に立ち竦む。


そんな私に、自分の隣をポンポン叩いて座れの合図。




「俺は今のAも、昔のAも好きだけどな」
「……最初から知ってた?」




黙って頷く若くんに怒りさえ覚える。




「どうして言ってくれなかったの!」
「……偶然だと思ってる?俺がコーヒーぶっかけたの」
「ど、いう意味…?」




私達の出会いは、カフェで若くんが私の服にコーヒーを溢してしまったのがきっかけ。クリーニング代を払いたいと言われ、連絡先を交換したのだ。




「一目見てすぐわかった」
「こんなに見た目違うのに…?」
「綺麗になってて、焦ってコーヒーぶっかけた」
「おかしいと思います」
「何が何でも俺のモンにしたかったんだよ」




腕を引かれ、漸く若くんの隣に腰かけた。




「ずっと探してた」
「そうなの?」
「あの後、何度ここに来てもお前に会えなかった」
「三丁目に引っ越したから通学路が変わったの」




過去を知られていた憤りが、安堵へと変わる。

そして、気になる事が一つ。




「今私のすっぴん見ても、可愛いって思ってくれるかな…」
「……?もう何回も見てっけど」
「は!?だ、って!若くん起きてる時、ずっと化粧してるよ!」
「だからAが寝た後、眺めてる」
「へ、変態!」
「お前が見せてくんねぇからだろ」




無駄な努力だったんかい!




「これからは、ゆっくり寝なさい」
「そうする…」




俯く私の顔を覗き込んで、キスをした。
唇が離れ、若くんが優しく笑ってる。




「ありのままのAが好きだよ」
「私も、若くん大好き…!」
「可愛い」




もう一度唇が重なった。
さっきとは違う、深い深いキス。



無くなればいいと思っていた過去は、
若くんが丸ごと愛してくれるなら、忘れたくない。




「無理なダイエットも禁止」
「ダメだよ…すぐ太るし…」
「体にワリィからやめろ」
「でも…」
「どんなAでも、俺は愛せるけど?」
「ハイ…」




この日の宣言通り、
夫婦になった今でも、彼は私を丸ごと愛してくれている。

 

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だいこん - えっすきすぎる、、、!!!場地さんのとこずっとキュンキュンしっぱなしで、、、!!!ほんと天才すぎますっ!!こんな神作を、、、、!!!✨✨✨ありがとうございますっ!! (3月14日 21時) (レス) @page28 id: fdeded875e (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 三ツ谷くん夢本当良きです! (2023年4月20日 10時) (レス) @page14 id: f3df519faf (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ - ドラケンくんで泣きました。今まで読んできた小説の中で一番キュンとしました。ほんとうにこんなにおもしろい小説を無料で読めるなんて贅沢です。ありがとうございます!!! (2022年10月24日 11時) (レス) id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - もうなんなんですか!!天才ですね!!最高でした!!!ありがとうございます。 (2022年8月27日 21時) (レス) @page47 id: bd86862afa (このIDを非表示/違反報告)
睦月 - 初めまして!小説読ませて頂きましたが素敵な作品ばかりでした!キュンキュンしちゃいました(笑)個人的にはイヌピーとココが好きなので短編を書いてくださると嬉しいなぁとか思ってます。個人的な意見を言ってすいません(><) (2022年7月23日 2時) (レス) id: 3944e3eebe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:matsuri | 作成日時:2022年2月15日 17時

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