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日野の悪夢 ページ8

堂上くんが少女の頭を撫でるのを見て、あることを思い出した。
_______________________
人々の悲鳴と銃声が図書館の中に響き渡る。

まだ4歳だ。何も考えずにとにかく手に取った本を抱えて出口へ走り出した。

出口が見えて、もう出られると思ったのに、銃を抱え、マスクをつけた男に捕まった。

「おい、どこへ行く?」

「帰るの! 怖いから、帰るの!」

警戒心もあったがなんとか喋った。

ガチャリ、と嫌な音がして銃の引き金が引かれた。

銃口は私の方に向いている。

「そのまま戻れ」

命令された時、悲鳴に近い声が聞こえた。

「りりちゃんっ! りりっ!」

「動くな。子供を撃つぞ」

まだ私に銃を突きつけている。

「私を撃ちなさい。子供に何の罪があるの? 物心つかない子になんてことするのですか!」

「フッ、いいだろう。こっちへ来い」

「りり。あなたは早く図書館の外へ出なさい。何があっても外に出るのよ。絶対に振り向いちゃダメ。約束して」

私は必死で頷いた。

彼女はゆっくりと近づいてきた。

私の頭に手を置いて、こう言った。

『あなたは幸せに生きて行かなくちゃね。本と触れ合って、大切にしてちょうだい……』

彼女の頰に一筋涙が流れたと同時に男は手を離した。

私は男の手を離れると駆け出した。

後ろで銃声がする。

振り向いちゃいけない。振り向いちゃいけない……

それでも心配で振り向いた。

私の大切だった、家族だった彼女は、血を流して倒れていた。

銃声が耳にこびりついて離れなかった。

誕生日の今日、もらったばかりのブローチを手に握る。

嗚咽が止まらなかった。

私には何もできない、このままじゃ無力だ、と感じたのはこの時だった。

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水無月歌恋(プロフ) - えりなさん» いえいえー!応援してます! (2022年5月28日 20時) (レス) id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
えりな - ありがとうございます! めちゃくちゃ嬉しいです!(*≧∀≦*) (2022年5月28日 20時) (レス) id: 34d2333fb9 (このIDを非表示/違反報告)
水無月歌恋(プロフ) - えりなさん» 分かんないことあったら、なんでも聞いてくださいねー! (2022年5月28日 10時) (レス) id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
えりな - わ〜‼初コメントありがとうございます! 占ツクで初めてです! 頑張っていきます! よろしくお願いします! 週4回更新していきたい…コメントありがとうございました! (2022年5月28日 10時) (レス) id: 97d1b5bb4a (このIDを非表示/違反報告)
水無月歌恋(プロフ) - 面白かったです。頑張ってください! (2022年5月28日 10時) (レス) @page1 id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えりな | 作成日時:2022年5月28日 10時

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