図書特殊部隊&クマ殺し ページ12
私たちは昇任試験に合格し、二正になった。
そして、なんと3人揃って図書特殊部隊・ライブラリータスクフォースに配属された。
早速、奥多摩での1ヶ月半の集中訓練が始まった。
あまり感情を前に出さないようにしながら毎日を過ごした。
タスクフォースの仲間たちはいい人ばかりだとわかってはいたけどどうしても女性としての態度は取れなかった。
気を強いように見せて失礼なことを言われたら噛み付く。
それを繰り返していたら定着してしまった。
せっかく選ばれた図書特殊部隊から脱落するようなことには絶対になりたくなくて必死で頑張った。
手応えを感じながら最後の野外工程に入った。
他の男性隊員より体力がないことは確かで、もう必死だった。
弱音は絶対に吐かなかった。
女子用テントを一人で建て、就寝の許可が出ると意識を失うように眠った。
「出たぞッ!」
「うわぁっ!」
演技とは思えないような逼迫した演技で起こされた。
「へっ!? クマっ!?」
半分の寝ぼけたまま声を聞いたが、自分で声に出してみるとどれだけ危険かがわかった。
「ええっ!? クマ……!?」
大きな物体が中に入ってきたとき、素で悲鳴をあげた。
「うそッ! きゃあっ! イヤっ! 来ないでっ!」
大きなその塊は一ミリも動かない。
不審に思うと、中に爆笑している声と灯りが入ってきた。
「おまえにもそんな声が出るとはな!」
いたずらだったのだ。
「玄田隊長ッ!」
抗議の声を上げると、ますます笑い声が上がった。
そして、もう仕掛けられたらしい幹久くんが、起こそうと手を前に差し出した。
腰が抜けて動けなかったのでその手に甘える。
この人たちの前であんな悲鳴あげたことはなかったのに……
「出たぞっ!」 「うわぁ!」
「……クマかっ!?」
大声で怒鳴った堂上くんは偽物のクマの鼻面を殴ったのだ。
私たちに大ウケし体調は、これからも続ける、と意気込んでいた。
それでも私が後だったのでクマ殺し・堂上くんを生で観れたのは玄田隊長に感謝している。
ただ、私と堂上くんはからかわれ続けた。
二度とこんな失態を起こさないと心に誓った。
それがきっかけで少しずつ自分の素が出しやすいようになったことは確かだ。
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水無月歌恋(プロフ) - えりなさん» いえいえー!応援してます! (2022年5月28日 20時) (レス) id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
えりな - ありがとうございます! めちゃくちゃ嬉しいです!(*≧∀≦*) (2022年5月28日 20時) (レス) id: 34d2333fb9 (このIDを非表示/違反報告)
水無月歌恋(プロフ) - えりなさん» 分かんないことあったら、なんでも聞いてくださいねー! (2022年5月28日 10時) (レス) id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
えりな - わ〜‼初コメントありがとうございます! 占ツクで初めてです! 頑張っていきます! よろしくお願いします! 週4回更新していきたい…コメントありがとうございました! (2022年5月28日 10時) (レス) id: 97d1b5bb4a (このIDを非表示/違反報告)
水無月歌恋(プロフ) - 面白かったです。頑張ってください! (2022年5月28日 10時) (レス) @page1 id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりな | 作成日時:2022年5月28日 10時