図書大学 ページ2
私は常に独りだった。
天涯孤独だっただけでなく、親代わりだったあの人もたった５年で失った。
全く物心のついていない頃を引くと２年ほどだろう。
５歳・あの人を亡くしてから私はアメリカへ渡った。
私は……天才児だったらしい。
８歳で小学校課程を修了し、11歳で中学課程を修了した。13歳の時には高校課程を修了していた。
図書大学が廃校になる、という話があり、それまでに入学したいという思いを抱えて日本に戻った。
そして私はもう、入学できる学力はあるのだ。
私を支えてくれた和市さんに会い、図書大学入学の許可をもらおうと思っていたが……和市さんは反対したのだ。
『君はまだ13歳です。図書大学廃校を条件に交渉したというのにふりだしに戻るなんてことになりかねない。良化隊がどこからつけ込んでくるかわからないのでね。理解してくれますか？』
やんわりとだったがはっきりダメだと言われた。
私は何度も和市さんに会いに行き、何度も説得した。
そして、“年齢のことで問題が生じた場合は切り捨てる”という条件つきで入学が許可された。
入学式の日、和市さんは前に立ってきっぱりと今年で廃校なると宣言した。
私は14歳、入学式・今日出逢う人は19歳だった。
式が終わると席を立った。
これからどうしようか悩みながらとりあえずご飯を食べに行くつもりで席を立った。
廊下に出ると突然肩に手をかけられた。
パッと振り向くと背の高い男の人が立っていた。
見覚えはない。
「えっと、これ」
彼は私の財布を持っていた。
「あれ？」
私は自分のバッグを探したがやはり中に財布はなかった。
「ありがとうございます。私のです」
財布を受け取ると、私は１人で行くつもりだった。
「ねえ、香崎さんだよね？ 俺、席となりだったんだけど、気付いてなかった？」
彼は私に声をかけてきた。
「えっと……気付いてなかったです」
「そっか。香崎さん、だいぶ若く見えるけど……何歳？ 俺ら同期だよね？」
やっぱり若く見えるか……と内心落ち込みながら何と答えるべきか悩んだ。
「うん、同期です。えっと歳は……14歳です」
どうしてだろう。言ってから驚いた。
危険だから本当の年齢なんて言わないつもりだったのに、どうしてか、彼になら言えた。信用できた。
「あ、あの！ 黙っててくれます……よね？ 他の方達には……」
「言われたくなければ言わないよ。……飛び級？」
優しく微笑まれて気が緩んだ。
なぜか信用している自分がいた。
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水無月歌恋(プロフ) - えりなさん» いえいえー！応援してます！ (2022年5月28日 20時) (
レス) id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
えりな - ありがとうございます！ めちゃくちゃ嬉しいです！(*≧∀≦*) (2022年5月28日 20時) (レス) id: 34d2333fb9 (このIDを非表示/違反報告)
水無月歌恋(プロフ) - えりなさん» 分かんないことあったら、なんでも聞いてくださいねー！ (2022年5月28日 10時) (レス) id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
えりな - わ〜‼初コメントありがとうございます！ 占ツクで初めてです！ 頑張っていきます！ よろしくお願いします！ 週４回更新していきたい…コメントありがとうございました！ (2022年5月28日 10時) (レス) id: 97d1b5bb4a (このIDを非表示/違反報告)
水無月歌恋(プロフ) - 面白かったです。頑張ってください！ (2022年5月28日 10時) (レス) @page1 id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりな | 作成日時：2022年5月28日 10時
