能力を持つ代償 ページ30
太「何時また君の異能が暴走するか分からないから、私がこうやって触れて無効化しているのだよ」
『暴走……？』
太｢気づかなかったのかい？敦くんと鏡花ちゃんに話を聞いたけれど、あの時、社内に降った雪と、敦くんが君に触れた時に彼を弾き飛ばしたのは君の異能力だろう。君の意思でやったとは思えないし、君の異能力は計り知れない。何かが切っ掛けで暴走したと考えるのが妥当だよ。｣
もしかして、2人が私の姿を見失ったのって冗談じゃなく、異能で消えたから……
太「どうして異能が暴走したのか、分かるかい？」
そう聞く彼の顔は真剣で、少し声が低かった。
あの時、思い当たることがあると言えば……
『多分……ですけど、風邪です』
予想内だったのか、彼は鷲色の眼を少し丸くしただけだった。
『あの朝、起きたときに普段より怠かったんです。大丈夫だと思っていたんですけど、身体が弱っていたせいで異能が制御出来なかったんじゃないかと』
確信はないから本当にそうなのか分からないけれど、あの時思い当たるのは風邪しかない。
彼は自分の口元に左手を当て、考える仕草をした。
太「一理あるね。何せ君の異能は強力すぎる。君が持つには身体への負荷が計り知れない。身体が弱ったことで発動する可能性は十分にある」
彼が言うならやはり原因は風邪なのだろう。
太｢しかし、それだと困ったね｣
『困った？』
彼がそういう理由の検討がつかず、首を傾げた。
太｢分からないかい？もし本当に風邪のせいで異能が暴走したのなら、身体が弱る度、君の異能は暴走する事になる。今回は早く対処できたけど、次はどうなるか分からない｣
彼の言う通りだ。探偵社の中だったから良かったけれど＿＿
『っ、……』
想像して、身震いした。
もし、もしも外で暴走すれば、誰かを傷つけ、殺めてしまうかもしれない。
そうなればもう二度と探偵社には戻れない。
無意識に彼の手を強く握ってしまう。
太｢……心配しなくていい。そうならないようにするさ。だから＿＿｣
『むぐっ、らりふるんでふか！(何するんですか！)』
彼が急に立ち上がり私の手を離したと思えば、唐突に私の両頬を両手で掴んで外側へ引っ張った。
太「少しでも体調が悪かったら直ぐに報告すること。無理をしないこと。いいね？」
意外すぎる彼の姿に眼を瞬いて呆然としてしまう。
だって、あまりにも彼が真面目な顔で云うから＿＿
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ニーナ(プロフ) - ふわふわさん» ありがとうございます！返信が遅くなり、すみません。作者の都合で非常に遅くなってしまいますが、続編はしっかり完結させるまで書く予定なので、気長に待って頂けると嬉しいです！面白いと言って下さり、本っ当にありがとうございます！！ (2020年11月22日 21時) (
レス) id: 65a2341deb (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ - 文ストに最近ハマり始めました！本当に面白くて好きです！続編は更新する予定ありますか？もしよければ続きが見たいです(*^^*)これからも応援しています！ (2020年11月15日 18時) (レス) id: 9f6e2c3f9c (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - 恋雪さん» ありがとうございます！好きって言ってもらえて、本ッ当に嬉しいです！投稿頑張ります。これからもよろしくお願いします！ (2018年8月28日 13時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - もう本当好きです……これからも応援してます！頑張ってください！ (2018年8月27日 23時) (レス) id: 2b765a4bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - ところてんさん» ありがとうございます！投稿頑張ります。これからも見守っていて下さい！ (2018年8月18日 16時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニーナ | 作成日時：2018年1月2日 5時
