彼の謎スイッチ ページ11
太「え?」
きょとんとした顔の彼に、てへっと笑う。
太「え、え?狡くないかいそれ?!」
『あー、効く場所はちゃんとありますよ?まぁ教えないですけど。ただ、脇腹は効かないです』
彼に効くところ教えたら色々やばそう。
昔から脇腹とか首とかを擽られても全然効かなくて、やり返しされる心配がないからって友達に一方的に擽りまくってよく遊んでたなぁ。
敦「何で効かないの……」
仕返しができないと分かってなのか、敦がシュンとした。
『あはは、それは私にも分からないよ』
擽る人によって効くときと効かないときがあるんだよね。
『あ、そうだ。太宰さんは擽り効くんですか?』
まだ私の脇腹に手を添えている後ろの太宰さんに聞く。
そろそろ離してほしいんですけど。私の心臓が持たないから。
太「……試してみるかい?」
何気なく聞いた質問の筈だったのに彼のいけない何かを押してしまったのか、彼は私の脇腹に添えていたはずの手を私のお腹の前でクロスさせ、後ろから抱きつくような体勢になった上、耳元に口を寄せて色っぽい声で囁いてきた。
背の低い私は自然と包まれるように抱きつかれていて。
ただでさえ心臓が持たないぐらいやばかったのに、今はもう破裂してしまうんじゃないかって程心臓が五月蠅い。
推しにこんなことをされて平気でいれる人なんて居るのだろうか。
『遠慮しておきます!』
ぶっ倒れる前に太宰さんの拘束から抜け出した。
彼から距離を取り、鏡花ちゃんの後ろへ逃げる。
今の一部始終を見ていた敦は耳を赤く染めて俯いていた。
太「ちぇっ、逃げられた」
そう言いながらも彼はさして悔しそうにせず楽しそうに笑う。
『誰だってあんなことをいきなりされたら逃げますよ!』
太「そうかい?今までの女性たちは皆喜んでいたけれど」
他の女性達にもあんな勘違いするようなことをして、手玉にとって捨ててきたのか。
マジで女の敵だなこの人。
『それはよかったですね。じゃあその被害者の女性たちに太宰さんの今の住所を教えてあげるともっと喜ばれるかもしれないですね』
こっちには中也という情報網があるんですよ。なんて思いながら爆弾を投下する。
太「止めて本当。それ洒落にならないから」
珍しく青い顔をして太宰さんは項垂れた。
『その気もない人には手を出さないことです。あなたみたいな人に手を出されると、世の中の女性は勘違いしてしまいますから』
ほんとイケメン&イケボって罪だわ。
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ニーナ(プロフ) - ふわふわさん» ありがとうございます!返信が遅くなり、すみません。作者の都合で非常に遅くなってしまいますが、続編はしっかり完結させるまで書く予定なので、気長に待って頂けると嬉しいです!面白いと言って下さり、本っ当にありがとうございます!! (2020年11月22日 21時) (レス) id: 65a2341deb (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ - 文ストに最近ハマり始めました!本当に面白くて好きです!続編は更新する予定ありますか?もしよければ続きが見たいです(*^^*)これからも応援しています! (2020年11月15日 18時) (レス) id: 9f6e2c3f9c (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - 恋雪さん» ありがとうございます!好きって言ってもらえて、本ッ当に嬉しいです!投稿頑張ります。これからもよろしくお願いします! (2018年8月28日 13時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - もう本当好きです……これからも応援してます!頑張ってください! (2018年8月27日 23時) (レス) id: 2b765a4bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - ところてんさん» ありがとうございます!投稿頑張ります。これからも見守っていて下さい! (2018年8月18日 16時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニーナ | 作成日時:2018年1月2日 5時