検索窓
今日:10 hit、昨日:2 hit、合計:327,086 hit

太宰さんからの質問(尋問) ページ29

太「さて、Aちゃん」


『は、はい、何ですか?』


急に太宰さんが真剣な顔になった。

周りの温度が数度下がった気がする。


太「単刀直入に言う。君は何者だい?」


『えっ……?』


太「君について色々調べてみたけれど、一つも情報が出てこない。まるで、元から存在していなかったように」


あの事を言うべきだろうか。


『……何者でもありませんよ。普通の、本当に普通の女子高生でした。色々あって今の状態になりました』


太「その“色々”の部分を詳しく聞きたいんだけど、言ってくれるよね?」


有無を言わせない、優しさの消えた冷たい眼。

言ってしまってもこの世界に影響は出ないだろうか。

恐らく、言わなければこの状況から逃げ出すことは叶わない。

出ない事を願って、ポツリポツリと今までの事を話し始めた。


『……ある日、夜中に家に誰かが来ました。こんな時間にいったい誰が来たんだろうと思って外を確認すると、そこには何故か誰も居なかったんです。不思議に思いながら部屋に戻ろうとしたその時__』


一つ一つ、あの時の事を話していく。

今でも鮮明に思い出せる。

前に居る太宰さんは真剣な表情で私の話を聞いている。


『__私は、後ろから誰かにナイフで刺されました。力を失い地面に倒れ、意識を失いました。たぶんその時私は……死んだんだと思います』


太「っ!?」


太宰さんの表情が驚きに変わる。


太「死んだ……?じゃあ今の君はいったい……」


『自分でも良く分かってません。死んだ筈の私は、自分のベッドの上で目を覚ましました。あれは夢だったのではないか、そう思いました。……外に出るまでは』


太「どういうことだい?」


『外の景色が違ってたんです。私はこの街に住んでいませんでした。何故自分が此処に居るのか判らず、川を見ながら途方に暮れていた処に、太宰さんが上流から流れてきました』


太「……真逆、倉庫内で見たあの傷痕は刺された時の」


『そうだと思います』


辺りに沈黙が訪れる。

太宰さんは何かを考える様に目を閉じた後、

少しして、目を開けると同時に口を開いた。


太「とても信じがたい話だけど、傷痕もあるし、嘘を言ってるようには見えないね。……君についての情報が一切無いのは何故だい」


『……私が言えることは、私が居た世界は、ポートマフィアも探偵社も、異能力さえ存在しない、比較的平和な世界です』


太「……」


此れを聞いて、太宰さんはどう思ったのだろう。

生きてく為の第一歩→←珈琲は美味しい



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
240人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , トリップ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

華月姫(プロフ) - ニーナさん» はい!時々見に来ますね(*'▽') (2017年6月16日 0時) (レス) id: f5f2dd91a6 (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - 華月姫さん» コメントありがとうございます!面白いと言ってくだって、とっっっても嬉しいです!少し更新が遅くなったりしますが、これからも投稿頑張ります!この作品をこれからも見守っていて下さい!宜しくお願いします! (2017年6月16日 0時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
華月姫(プロフ) - 最後に、これからも更新頑張ってくださいね!(^^)!応援してます!! (2017年6月15日 22時) (レス) id: f5f2dd91a6 (このIDを非表示/違反報告)
華月姫(プロフ) - イベント参加ありがとうございました!すみません、読むの遅くなってしまって・・・。お話読みましたが、とっても面白かったです!夢主ちゃんのツッコミが特に面白かったです(^^;)トリップものは最初からみんな知ってるのでいいですよね! (2017年6月15日 22時) (レス) id: f5f2dd91a6 (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - ちゅらさん» コメントありがとうございます!!最近投稿が疎かになっていてすいません。これからも応援よろしくお願いします! (2017年3月29日 14時) (レス) id: a9ef15ca11 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ニーナ | 作成日時:2016年11月16日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。