オタクがプロデューサーになった件。

プロデューサー初の仕事 ページ10

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あっという間に午後の授業が終わり、とうとう放課後になってしまった。

大丈夫大丈夫。最低限の仕事をするだけ。目立たなければ平気。
そう何度も己に言い聞かせるものの、やはり緊張が収まることはなかった。というか圧はあったものの引き受けてしまった仕事だし、しかもあんずにああ言ってしまった以上、できませんなんて口が裂けても言えない。






正直、気分は憂鬱だが渋々教室を出る。目的地はスタジオ。
そう歩き始めてからかなり経ってから気づいたのだが、私、迷子になってしまったのかもしれない。
渡された地図、そして校内に貼られた大きめの地図を見て現在地を確認するも、夢ノ咲学院あまりにも広すぎて一向に辿り着ける気がしない。

どうしよう。






？「わはは☆今度のは迷子の歌ってのもいいな！」





また知らない道に出たことを察しながら前方に歩くと、声がデカめのオレンジ頭が床に寝そべって作曲をしているのが見えた。
私の推しの月永レオくんだ。顔がよすぎて血吐きそう。

こっちが気づいたのはいいものの、あちらは気づく様子がない。大変捗っているようだ。スタジオへの道を聞きたいところだが作業の邪魔をするのは大変申し訳ないし……。






レオ「なんだおまえ！見たことない顔だな！」

A「ぎゃああああああ！！」

レオ「あっ、さてはおまえ宇宙人だな！？」





突然近距離で聞こえた月永レオくんの声。いつの間に！！？
国宝級の美形が近距離にいることに頭がショートしかける。






レオ「ところでおまえ誰だ〜？」

A「あっ、名乗り遅れてすみません。私は…」

レオ「ちょっと待って！想像するから！」






うわあテレビの取材で見たことあるやつ。本当に素だったんだ。想像とやらの邪魔をすると機嫌が悪くなるとか聞いたのでここは黙っておこう。






レオ「あっ、もしかしておまえも迷子か！」

A「そうです…。」






推しの前で迷子だと言う羽目になるなんて…なんて恥ずかしい。
というか月永レオくんこと月永先輩も迷子ってなんだ！！？
かわいいかよ！！！すき！！！！！！
あ〜〜そうやってオタクを喜ばせるようなこと言う〜〜。





？「ちょっと王さま、どこ行ってたわけぇ？」

レオ「セナ！！！」

？「…ったく、いい加減一人で来れるようになってよねぇ！」






ひええっ。瀬名泉くんきたああああ。
3年生組揃ってしまった…なんてこったいもう倒れそう。

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