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ゴクリ。
俺は生徒会室の前で、あまりの緊張に思わず唾を飲む。
頑張ろう、自分で決めたんだ。
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事はほんの数分前に遡る。
凛月くんの手刀によって強制的に倒された(眠らされた)衣更くんを保健室に運んだ後の事だ。
A「無事に衣更くんを保健室に運べたはいいものの、この大量の資料ってどうすんのかな」
昼間から衣更くんの机に置かれた大量の資料。彼は先程もそれらを持って、生徒会室に行こうとしていた。
弓弦「それは確か、蓮巳様が衣更様に渡していた資料だったような…一応、蓮巳様に確認してみた方がよろしいでしょうね」
A「わかった。じゃあ俺が蓮巳先輩に届けてくる」
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というわけで今に至る…わけだが。
あの時の俺の発言を後悔しまくっていた。なんで俺が届けにいくなんて、強気なことを言ってしまったんだ。なんで前に出たんだ!俺!!!!!
キーンコーンカーンコーン…
放課後の開始を告げるチャイムが鳴る。
こんなところでグズグズしていたせいで、随分と時間が経ってしまった。勇気を出さねば。
でもモブの俺がああああ…っ。…ええいこの際だ、勢いで行ってなるべく早く帰ろう、蓮巳先輩の記憶に残る前に早く生徒会室から出てしまえばそれでいい。
スーハースーハー…
深呼吸をして呼吸を整えて。よし。
コンコン
A「失礼します、2年B組の佐藤Aです。」
敬人「入れ。」
A「は、はい。」
恐る恐る生徒会室に足を踏み入れる。
中は静まり返っていて、蓮巳先輩だけがいた。…どうしようめちゃめちゃ怖い。さっさと要件を言わなければならないのはわかってはいるが、口が上手く動かない。
敬人「どうした、ここに何か用があるんじゃないのか?」
A「あ、えっと、こ、これを…衣更くんが生徒会室に持っていこうとしていた資料を代わりに持ってきました。衣更くん、体調不良で倒れてしまって…」
そうして俺は資料の束を机に置いた。
蓮巳先輩はその資料を見るなり、ため息をつく。
敬人「…来週末までに提出でいいと言ったのに、もう終わっているな。つい一昨日渡したばかりだぞ。学生だというのにここまで働くとは…全く度し難い。」
A「…?」
え?この人マジで言ってるのか…?
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ねーむ(プロフ) - 結さん» ありがとうございます! (2021年8月9日 1時) (レス) id: 4cddb094d7 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 更新待ってます!頑張って下さい! (2021年8月6日 20時) (レス) id: de81aa094a (このIDを非表示/違反報告)
ねーむ(プロフ) - Ryuanoさん» 更新頻度低くてすみません…!頑張って更新しますのでしばしお待ちください!! (2021年8月4日 20時) (レス) id: 4cddb094d7 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねこ(プロフ) - いおりさん» わあああ、いおりさん、ありがとうございます!!めちゃめちゃ嬉しいです!!なるべく早く更新できるよう頑張っていくので、これからもよろしくお願いします!! (2020年9月4日 16時) (レス) id: ab2f19c22b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 続編も続きが欲しくなるはいり!これからも更新、頑張ってください!! (2020年9月3日 21時) (レス) id: 8bb283158d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねーむ | 作成日時:2020年9月3日 17時