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# 糖分控えめ ページ14

*side You
今日がどんな日であったのか、気にも留めないで普通に過ごしてしまうところだった。普通に、緊張している。節分であったり、卒業シーズンが近づいているだとか、大事な大事なあの行事を忘れていたのである。でも考えていたりは、していたかもしれない。お昼休みの女子の集まりで、今年は手作りが多かったから、なんとか勢いだけでも勝っておいたほうがいいんじゃないのかと白々しく対抗心が顔を出し「私も手作りチョコにするね」とどんとこいと言っていたが。(まぁ今年も市販の包んであげるだろう)って本心はだだ下がりの向上心、お客様への忠誠は一旦お預けを。よくもまぁぬけぬけとそこで笑っていたわけですよ。

「ほらもー手止めないの」
チョコっていうのは湯煎で溶かす作業でさえもかったるしくさせた。動かす手にチョコがべとつく。なめた手と口も一緒に道連れとなる。ざっくりざっくりと切るようにへらを動かした手はうざったらしさがチラリと見えていた。


「早くしないとセンラさんにあげれなくなるよ」
「えっやだセンラさんに渡す」
思わず意気込んで手が滑り、溶けかけのチョコが入ったボウルに湯煎のお湯が入りそうになるところを間一髪ですっとんきょうな声を出しながら友達と二人がかりで止めると、隣からいかにもなされていた心配ため息が出されている。好きな人にも市販だけどチョコはあげる、そう言って手を連れられ放課後の家庭科室に入り浸ってわずか1時間もたっていない。もう疲れたと思い始める私に対称。友達はチョコを溶かしきるはおろか、型に流し込んでオーブンに入れた後だった。
「センラさんってかっこいいし、チョコたくさんもらってるんでしょうね」
でしょうね。心中で悪態をついた。だってあの人はかっこいい、さぞ人気が出て女の子からの視線の一部を奪っていることでしょう。志麻さんとセンラさんで半々ってとこかな…。友達も心配そうに奥ゆかしそうに焦っていた。でしょうね、自分の好きな人は自分の好きな人のことをしっかり把握しているわけないんだから、女の子からチョコレートなんてもらわないで!と言ったって欲しいと思うでしょうよ。むしろ逆に察してくれていて、 自分、彼女からもらうからいりません。 だなんて言って他の子からもらわなかったら彼女の視点からとしては嬉しさが出てくるものの、反面。男性としてすこし悲しさの色が滲んでしまうのではないか。溶けていくチョコよりも、私のが溶けてる。

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ヒロ(プロフ) - 消えた字、見つけた。好きです。頑張って下さい。 (2019年11月14日 23時) (レス) id: 7769e45292 (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年7月7日 15時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
とある暇人 - 文章が読みやすくて一気に読んできました←これからも更新頑張って下さい! (2019年1月15日 19時) (レス) id: 09ab6582bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねこた | 作者ホームページ:***  
作成日時:2018年11月24日 14時

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