検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:21,313 hit

#甘いものを食べましょう ページ1

*side Senra

「センラさん、甘いもの食べませんか?」
電話越しの声は生殺しだ。しっかり殺してくれない。耳にかかる声が、なんだかささやかれてるみたいな感覚に陥っていくから、この感覚を引き延ばしたくて眠そうな声の彼女になんとか起きてもらってる。でもそろそろ本当に眠くなってるぽくて、だんだん相槌も話し方もゆっくりゆったりのペース。そんな声もかわいいと思うが、そろそろ寝かせていげないと明日に支障がありそうだ。うつらうつらと枕に顔がうずまってく彼女の様子が容易にできて、近くで見たいとなんだか思ってしまった。いつか隣で毎日でも見れたらいいんだけどな、でもまだ周りが許してくれない。結構年と時間の関係は大変なのである。

「ええの?最近学校忙しい言うてたやんか」
あくまでも紳士的に断った方がいいかと思った。お互い会えないから始めた電話のやり取りは案外思ってたよりも続いていて。会えないなら会いに行くのが基本だが、彼女以外の女子ははっきり言って苦手な部類だ。高校を楽しむのは全く問題ないが、香水の量は考えた方がとてもいい。彼女に今度香水をあげても良いかもしれない。笑顔がよく似合うから、黄色が似合う。はっと気づいた、…俺の色やんか。どんどん無意識に独占欲でてんなぁ、口元が緩んで。んふふと笑ってしまった。


「明日日曜日ですよ?遊びに行きたいんです〜!!」
…これはもうにやけた。とてもにやける。眠くなって多少以上のゆるゆるになった彼女はぺらぺらとこっちのことなんかお構いなく「センラさんと会いたい」だとか「私居ない時何してるんですか」とかかわいすぎることばっかい言う。だめだ、紳士的に。必死に止めた思いを深呼吸でまた沈めて。

「ええよ。あそびいこ。スイーツたべまくろーな」
「んん、センラさんとすいーつたべます…」
「ん、後からメール送るから」
「…早く明日にならんかなぁ…」
「わ、たしも」
はやくあいたいです。


ぶちっと突然切れた電話の、ツーツー通話終了の音だけが部屋に残った。
やっぱり電話は生殺しだ。

顔が、熱い。


(いいにげとか、ずる)






*side You

「ど、しよ」
布団をかぶって自分の言ったことを思い返してまたどうしよとうなる。無理、言っちゃったぞ。終わった時間を簡単に戻せたならいいのに。足はひんやりとしているが、顔だけが周りがあったかかった。まぁ、でも


(…センラさんに、会いたいんだよなぁ)
今日の夜は熟睡できそうだ。いい夢を、おやすみなさい

甘いものを食べに行きましょう→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
306人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , センラ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ヒロ(プロフ) - 消えた字、見つけた。好きです。頑張って下さい。 (2019年11月14日 23時) (レス) id: 7769e45292 (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年7月7日 15時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
とある暇人 - 文章が読みやすくて一気に読んできました←これからも更新頑張って下さい! (2019年1月15日 19時) (レス) id: 09ab6582bb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ねこた | 作者ホームページ:***  
作成日時:2018年11月24日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。