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27:実は餡まん ページ28

Side:今吉


腰に抱きついて、小さい顔をワシの胸に埋めて、ツラツラと瀬村さんは自分の過去を語った。


そーか、料理は自己の存在確認やったんか。


最初っから思てたけど、ホンマ不器用やな。


ワシに巻き付いとる腕が微かに震えとる。何や、辛いんか?怖いんか?


ワシの得意技(相手の心を読む事)も、表情が見られへんから出来んしなぁ…いやー参ったわ〜



『ねぇ、お父さん…ごめんね。私、助けてくれて嬉しかった、けど苦しくて悲しい。また助けて欲しい…お願い。』


「……えぇよ。」



ゆっくりと顔を上げた瀬村さんと目が合う。



「自分はもっと目を凝らして周りを見るべきやと思うわ。視野を広げてみ?そしてもっと気付くべきや。ほんなら救われるんとちゃう?」


『え…』


「簡単な話、今日みたいに頼ればええ。」


『………』


「抱え込んだら自分が損するだけやんか、自分はもう許されとると思うで。」


『…ごめん……なさい。』


「えぇよ。」



求めていた言葉を貰えた、それが救いになったと嬉しそうな顔が語る。


良かったな。頭を軽く撫でながらそう思った。



『ありがとう…ございました。私、先輩の事…唐辛子とハバネロ並に辛いだけかと思ってました。実は餡まんだったんですね。』


「ん?」


『生まれて初めてです。こんなに中華まんが魅力的に思えたのは…あ、もちろん今までも尊敬していました。』


「ちょ、待って?中華まんって何や?」


『餡まん…この甘さは癖になりそうですね。口いっぱいに熱々のを頬張って、ハフハフしながらそのほろ甘さを味わうのが…楽しみですね!』



抱き付くのをやめて、畳にいわゆるお姉さん座りをする瀬村さんは楽しそうに話を続ける。


窓から入る優しい潮風と夕陽が、瀬村さんを包んでとっても綺麗やった。

28:ほんのり→←26:それならば※



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渚果 - 弟くんのキャラが良いw (2016年4月1日 12時) (レス) id: 0803d34072 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花(プロフ) - あぁっ!今吉さんと夢主ちゃんさいっこう!です! (2016年1月9日 20時) (レス) id: 82aaf89713 (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸なごむ(プロフ) - ありす(廿_廿*)さん» ありがとうございます(涙)温かいコメントを頂けて幸せです!!更新頑張ります!! (2015年12月14日 22時) (レス) id: 8b6b6b7e65 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(廿_廿*)(プロフ) - 夢主ちゃんんんん……!! 味覚戻ってよかった!おめでとう!!久々に占ツク戻ってきたけど相変わらず素敵な小説ですね!まだまだ続きが待ち遠しいです! (2015年12月13日 15時) (レス) id: 9863aa1535 (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸なごむ(プロフ) - K・Mさん» すみません遅くなりました。ありがとうございます! (2015年11月29日 16時) (レス) id: 8b6b6b7e65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瀬戸なごむ | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2015年5月5日 23時

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